テスラ#4・5

 雷を発生させる欠片の回収の巻。欠片もそうなんだけど、トラブルの内容というか扱いが結構雑。軽妙なギャグというかかけあい、それと人殺しは極力避ける浪花節がメインのような感じになってきたが、これもよくわからん。スパイものということだが、なんだか中高生向けですらない子供向けアニメのような感じ。ただ、よくわからんのは、前のエピソードは原作の漫画版を読むと印象が全然違ってたから、今回の話も原作と感じ方が違うのかもしれん。
 しかしなんつーか、キャラの動きがいかにもプロフェッショナルで能力が高いという見せ方なので、スパイものならもっとスマートにミッションをこなすとか、やはりハードボイルドっぽい雰囲気を期待してしまうのだが、なんでこういうスチャラカしたようなものに仕上げるのかよくわからん。まぁ別に一般的なフォーマットに従えというつもりもないのだが、トラブルシュートを何の無駄もなくこなすというのではなく、いろいろ迷ったり失敗して見せるのであれば普通は便利屋稼業の出番だと思う。その方がミッションより人助けを優先するというテーマによっぽど合ってる。でもまぁ冷静な判断、驚異的な身体能力を持つスパイ集団が人間の顔をするから浪花節という仕立てにできるのであろうからまぁわからなくもないんだけど、そうなるとやはりドンくさい連中だなと思われるのは許容しないといけないんだろう。
 で、ちょっと驚いたのが、このアニメ版のシリーズ構成と脚本を原作者自身が担当してること。前のエピソードで、前線部隊が本部に叱責されるエピソードを省略したから底の浅いものになってしまってもったいないと述べたが、原作者自身がそういう構成を許容したということになるから、なんとも不可解。アニメ化の都合上入れたいシーンは全部入れるわけにもいかないから、どこかを削る必要があって、で、あそこを削るという判断を編成会議で誰が提案したのか、それがプロデューサーなのか監督なのか、それとも脚本自身なのかわからないのではあるが、少なくともその会議でオッケーという判断を下したのだからどうにも。
 ただ、ヒロインの人格はよーできていて、思春期で精神が不安定なはずなのに、やたら気づかいができるというのが和む。できれば嫁に来てほしいぐらいの造形なのだが、そうでなくても職場のムードメーカーというか、なんかあった時の調停役としてぜひ一人欲しいみたいな。そういうキャラ付けだから任務と人助けのジレンマをうまく処理できなくてピンチに陥りがちというのはわかるんだけども、それだとやっぱりオマエそれでプロフェッショナルなのかよというバランスの悪さがどうしても鼻についてしまうので、まだまだこのスタイルに慣れないというか。

ジャヒー#13

 なんか魔石が必要数集まった模様。リニューアルしたOPの歌詞「色恋とか将来より優先すべきは生活」というの、リベラルに何度も聞かせてやりたい。
 水着回かと思ったらメインキャラは誰も水着になってないという不思議な海の風景だった。不幸が次々と起こるからきっと大量の魔石があると主人公が睨んで、しばらくは徒労に終わっていたから、それ、前回拾った大きな魔石の効果というオチでは?と思ったら本当に大量の魔石が見つかるという。
 主人公のかつての部下が、主人公の態度の変化に驚くのも結局は主人公自体が生活の激変で確かに変わっており、部下の方こそ方向性こそ逆だが生活の激変にもかかわらず依然と何ら変わりないという対比構造が面白かったというか、この辺の微妙な感情の揺れがなかなかよくできていたと思ってしまった。
 なんか身につまされるような話が多かったので、これは他人事ではないなという感覚ではあったのだが、いちおう主人公は滑稽なのでそのへん距離感があった。が、そういう時間の経過で、だから主人公に感情移入しているってわけでもなんだけど、なんかじわじわくるように変化してる。個人的には確かに2クールやってくれた意味があったという形だが、この微妙な感覚はたくさんの視聴者に理解されるものだろうか?。前に主人公は定年退職でも倒産という形でも、とにかく会社から放り出されて、部長だの課長だの、かつての会社での高い地位が忘れられず、自分の社会性の無さに自覚のない管理職あたりがモデルといったが、生活が下方方向へ激変したということについては、アベに中流から叩き落された庶民と状況が共通なので、そのへん主人公と距離を感じながらも、どこか他人事とは思えないという、まぁ最近だともう30代あたりぐらいから始まる、年齢層高めがターゲット層になっているのかもなという感じ。