チェンソーマン#12

 主人公側の反撃。派手なバトルシーンの割にあっけなかった。まぁテーマはやっぱりといったところかな。社会批判要素はないような設定だけども、キレイごとを言って反撃すらしなかった有様が日本のこの状況なので、しかもやられっぱなしじゃアカンやろ、やられたらトコトンやり返せというこのストーリーを、キレイごとが通用する社会なら作者もこんな末法的な物語にしないだろうし、実際このストーリーが支持されちゃってるところからしても明確なメッセージが込められてるのは明らかと見るべきかなといったところ。つまり、自民盗代議士の既得権益のために官僚が忖度し、見事汚職代議士のお眼鏡に適った官僚が数々出世したように、作者がわざわざ具体的に説明しなくても意図するものは読者に伝わってるし、実際に読者がその作者のメッセージに共感したからこそ人気作となってるというだけで、そこに取引の明らかな証拠は一切要らないという構造がどちらにも成立してるという。
 ジャンプ系の作品だと、やたらバトルシーンを長引かせてその派手さで視聴者を引き付けるアニメが多かったけども、この作品の場合、「あー間持たせダナー」と感じる直前に決着がついてくれるので個人的にはありがたかった。まぁフツーに考えて、原作者の時代に対する嗅覚も鋭いだろうし、そこをテキストに落とし込む力もあるんだと思う。ストーリーとしては単純なんだけども、だからこそ誰にでも個人の理解の及ぶところで解釈が可能になってるのは構成力もあるんだろうなといった感じ。

スパファ#25

 サブタイ通り、対象と接触して会話を交わすの巻。さすが最終回といったところで、言葉数は多いものの会話劇に今までにない緊迫感があって、集中させられた。2クール目のエピソード群はどうも物足りない感じがしてたのだけども、この最終回の緊迫感との落差をつけるためだと思うとなるほどではある。が、この構成ピーターグリル2期と一緒だよなwww。
 なんか来年第2シーズンがあるらしい。どうも今年の分割2クール一セットで第1シーズンらしく、そうだとすると第2シーズンも2クールあるのかも。というか劇場版もあるらしいし、さすが大人気だなといったところ。
 割と都度感想でいってしまってるのでアレだが、それでも繰り返すと個人的には設定が今一なので、スパイパートにはあまり乗り切れなかった。家族ドラマはそこそこだけども、この作品ならでは…みたいなものはあまり感じられず、シリアスドラマとしては論外、コメディとしてもなんか中途半端な印象だったかな。市民生活でも東西対立が一触即発って雰囲気が感じられないし、もちろんその根源となるイデオロギー対立や経済格差ももともとが放棄されてるから、主人公側が平和のために働いてると言われてもポカーンな感じ。原作はまだ連載中のようだけども、全体像がつかめるようになったらもうちょっと面白く感じるのだろうか?…わからんなー。