迷宮ブラカン#4・5

 上層部に仕掛けられた魔人を返り討ちにしたが、その後唐突に未来に救世主として召喚されてしまうが…の巻。もう展開が早いのなんの。勇者シアの調伏は、まぁ有体に言えば視聴者に向けての説教なんだろうけど、働く動機を「自由」に設定してそのへんの説教臭さを中和してる感じ。
 未来編では過去仲間にしたアリが生き延びていて出世していたのだが、週休二日一日八時間労働で文句を言う人間が出てきて、これ労働組合アイロニーとは違うだろうし、もしかして共産社会あたりか?と思わなくもないが、どうにもぴったり当てはまる対象が思いつきにくい。その後の主人公の働きで成果主義が導入され、勤労意欲が増したという結果にしているが、そううまく事が運ぶかどうかは別にして、それでアリが抱えていた問題は解決してはいるんだけど、絵的にはそれが決して手放しで喜べるという風でもなかったし、いろいろ含みはあるようなのだが、かなりすっ飛ばして先を急いでる感じ。
 面白いか面白くないかといわれたら、そりゃ面白い方に分類されるんだけど、このとにかくイシューを投げて突っ切るスタイルになかなか慣れないみたいな。視聴者がそれまで生きてきた経験によってエピソードの解釈が種々に受け取れる…というのからさらに、その視聴者でもそのエピソードの評価に迷っているうちに次のエピソードに行ってるような気がして、まぁ一つのテーマがあってもそもそもそれに一定の判断なんて下せないんだよ、問題を一つ一つ完全につぶしていくなんて無理で、未解消の問題があってもその時その時の状況に合わせて判断を保留して(どうせどんどん新しいトラブルは発生するのだから)とにかく生き抜いていかなくちゃならないんだよという主張のようにも思えるんだが、それも本当にそうかどうかもわからんってな感じ。
 まぁそのへんいろいろ保留してみるとして、社会はどんどん変化してるんだから、それに対応していかなくちゃ取り残されてしまうよというのもわかるんだが、そもそもその変化は個人というより社会に必要なものなんだろうか?という疑問が自分にはあって、でもまだまだそういう視点はこの段階では提示する必要は確かにない。で、社会が変化してるというよりは社会は変化「させられてる」んであって、その変動の渦に巻き込んでウマウマする層が現実には確かにいて、しかもその変化が正しいと信じさせられてる層も結構いて、そして変化させてる側はこともあろうに「保守」の皮を被った詐欺師だったりするんで、これまた現実は複雑怪奇というか。とりあえずこの作品の主題はいくら現実がクソであっても、それに流されるだけじゃだめだってところだろうから、そういうものを超越したそもそも社会はどうあるべきかは議論の埒外だとは思う。出口の見えない無間地獄を延々と描くことに意味はあるのかという気がしないでもないが、とりあえずのメモとして一筆残しとくとかそういう感じでまぁ。

女神寮#1~4

 あんまり気乗りしない感じではあったのだが、外れでもまぁいっか程度で。路頭に迷った中学男子を寮母として受け入れるって感じの軸はアジールものって感じなのだが、基本お色気メイン。典型的なガチ萌え作品だし、モロ石鹸アニメなのでもう中身は言わなくてもわかるよねってところ。ときどき関係性で切れ込むところはあるんだけど、あまり社会問題的観点は少なめなので頭を空っぽにして気楽に眺めるのが吉。気が向いたら感想を書くかもだけど、基本書くことはなさそう。