蜘蛛T22

 蜘蛛子と勇者サイドの話がつながったと思ったら、転生者シュンの兄と邂逅した段階だったという話。うーん、次期あるかどうかわかんないというか、ほぼないと思うんだけど、今期で勇者側でやってるいざこざと蜘蛛子の話はまず同期しないよね。勇者側から見るとかなり過去話である蜘蛛子サイドの話でも、吸血鬼や魔王ぐらいしか転生者と会ってないようだし、結局このアニメで何が言いたかったのかよくわからん。転生というのは要するにもう一度出生ガチャを引き直して人生やり直すってことだろうし、そのへんやり直すとか、転生というワードに誤魔化されがちだが、人間?生まれついたものを背負って一生懸命生きていくしかないってテーマなんだと思うのだが、ではなんでJRPGシステム?という感じ。現実にはレベルアップなどないし、レベルアップ時にそれまでバトルで損耗した緒元値が回復することもない。カネ持ちは例えば学校を卒業して親の会社にコネ入社するとか、コネで出世するとかあって、人生のステージが上がれば新たな利権や権力を手に入れて、行動の幅が広がるってことでいえば、レベルアップに相当するものがあるのだが、庶民のほぼすべてにはそういう人生におけるボーナスはないし、仮に運よく成功してそれとよく似たボーナスが得られるにしても、結局それはそういう状況に居合わせた「運」の要素が大きいわけで、人が行いうる努力とやらの実際に人生において発揮できる要素ってのはあまり意味がない。日本でも高度経済成長期に生まれるか、今生まれるかで全然成功の確率は違ってきてるとみんなが気付き始めてる現状、だからこそサブカル作品でも熱血スポ根のように努力や特訓が報われるなどといったお花畑が支持されなくなっているのであろうし、もちろんスポ根に限らず出世モノや成長モノについてもそういう努力が報われるというものから離脱してきているわけで、だからこの作品、そういうものとはそれなりに距離を置きつつも、でも努力次第で強くもなれるし生き残れもするみたいな形式で、しかもJRPGシステムを出してくる意図がよくわからん。勇者につっかかってきた僭称勇者も今回どうも他人から操られて要るっぽいという示唆もあったし、なに、結局予定調和なの?みたいな。転生先で望外の能力を得て欲望に従って動いていく人間もいれば慎ましやかに行動する人間もみたいに、人それぞれ生き方、もしくは人生のやり直しをするってことでもいいんだけど、やっぱ個人的にはそれならもっと人が持つ素の力でいろいろやりくりして欲しくってどうにもJRPG風味が性に合わないって感じ。人でも先進国に生まれるか、貧国に生まれるかの運が強いことを、ヒトに生まれるか蜘蛛に生まれるかみたいに喩えてるなら、それはそれでいい視点なんだと思うんだけど、アイデアがそこで尽きてしまっていて、そこから先が見えてこないってところか。

馬鹿野郎#23

 壁を抜けて神に会いに行くの巻。ルドルフがまたもや行く手を阻み、バトルシーンの連続で、まぁそりゃ攻撃の一つ一つに意味を込めてるんだろうけど個人的にはもう終わったな感が強かった。キャラが使ってるブライハイト以下の兵器はそもそも神が作ったものであり、キャラたちはそれを使ってるだけなんで、当然神を倒すことなどできず、まぁそりゃ説得もムリなんじゃね?と思うわけで、ではいちおう広げた風呂敷をどうたたむんだろぐらいの関心。現実社会でも、別に合衆国衰えたりといっても世界を向こうに張っていくらでも戦いの出来る世界一の軍事力を持ってるわけで、そこに日本が自主独立を訴えかけたところで鼻で笑われるだけの話。なので、そういう世界の構図を示したらあとは物語上の都合をつけるだけなんだろうなと。次回サブタイが最終回まんまなのは、ちょっとワロタみたいなところはあるんだが、隠し玉をもってそうな雰囲気でもある。

ましろ#8~11

 大会団体戦から個人戦へ、演奏中自分の音を獲得か?の流れ。おー結構時間が空いてしまったなという感じ。が、視聴し始めると止まんない。なんのかんのいってまとまりがよい。コンテストの結果もちゃんと理屈付けがされてるし、なんかそのへん結構抜かりがない。ブラスバンドあたりの大編成だとアドリブ要素なかなか入れ込めないんだけど、直近のセリフにもあったように、基本三味線は演奏者と観客との関係性だし、主人公はライブにも出てセッションの経験もあるので、実力からするとあれであの順位はなんのかんの納得させるだけの作り込みがさすがといったところ。逆に福岡のスリあげクン、技術性は派手だが基本あの態度はオナニーでしかないので、ちゃんとキャラにツッコみをいれさせてたのもなるほど。それでも視聴者に嫌悪感を抱かせないようシナリオも演技も演奏も加減してるのだから、スタッフの技量がうかがえるというもの。
 大会を通じて実力者を数々登場させ、我が強いというか自己主張の強いキャラを次々とでて、そしてそれとは対極にある主人公を影響と称して中庸に位置させるというのがもうバランスの権化って感じ。次回いよいよ主人公の真のライバルの出番で、トリを務めさせるからにはそれなりのサプライズがあるんだろうけど、それがなくても個人的にはまずまず満足してる。っつーか、続編あるの?。そういう雰囲気のように見えなくもないが。