スラ300#10

 吟遊詩人がブレイクするまでの宿り木になる話。あの様子だと観客と対話する機会は無かったろうし、吟遊詩人ギルドなるものがあったとしてもお仲間と情報交換していなかったろうから、どうすりゃよいのか皆目見当もつかなかったということなんだろうな。いやまぁ音楽なんて趣味の範囲でやるなら勝手にしろってなもんだが、ただ、それを職業とするからには聴衆に聴かせる、聴いてもらう必要があって、なら聴衆が求めているものを言語化して音に乗せたり、新しい価値観を大衆に示したいのであれば、観客の持っている価値観と示したい価値観の相違点をつきつける「場」が必要なのであって、そこにはどうしても観客との音を通じた対話がある。のだが、ゲストキャラはそういう機会に恵まれなかったし、その必要性すら頭から抜け落ちていたということなのだろう。それが主人公に拾われて、社会との接点を得て自分のそれまでの行動を振り返って生まれ変わることができたってことで、話としては別に新味のあるものではない。結末も、相変わらず食っていくには厳しいがそれでも音楽をあきらめないでなんとかやってます…ぐらいのほうが個人的には好みなんだが、まぁこの作品、ハルカラが社長としてやっていけてる世界観なので、しんみりした結末より若干夢と希望があるという方向性は間違ってない。
 遅れてレギュラーメンバー化したフラットルテもなかなかいい味出してるし、彼女がゲストキャラに送るエールも、おそらくは視聴者(読者)であるところの若者にも向けてのもので、なかなか熱いものがあった。まぁでも、売れないミュージシャンがシェアハウスでたむろってるのはいかにもありそうな風景でなんとも。

戦闘員#11

 遺跡の古代兵器争奪戦の巻。もうメインキャラが悪者としての振る舞いにドン引きなのが緩くてGood。なんかもうちょっとすっきりしたケリの付くところで終わるのかと思ったら、中途半端というワケではないが次回最終回らしい。エピローグのキサラギ幹部のかけあいもなし。ネタのテンポはよかったな。