装甲娘戦機#1~12

 一応前置き。視聴しようと録り貯めしてたのでいつかは視聴しようとは思っていたこと、で、装甲娘のゲームのほうをDMMのゲームポイント稼ぎのデイリーミッションで触っていたこと、ふむふむのお供で何視聴するか迷ってたこと、そしてゲームのほうはちょうど昨日サ終が発表されたこと…などで個人的なタイミングがマッチしてた。
 まぁお恥ずかしい限りで、ダンボール戦機との関連があることだけはわかっていたのだが、装甲娘のほうが本家で、段ボールのほうがいわばコレジャナイロボ的なスピンアウトだと思っていたのだが、実は逆でダンボール戦機のほうが本家だったこと、しかもプラモデルバトルモノとしてはガンダムビルドファイターズが先行作品かと思っていたら、やはり逆で、ダンボールのほうが先行作品だったことなどと、もう知らないということはこんなに恐ろしいものだというのをこれ以上はないというほど味わった。しかもダンボール戦機はアニメも三作、一作当たりほぼ一年3~4クールもあるという大ヒット作品だという。
 というわけで、ゲームのほうはサービス開始していったん中断して再開したらしいのだが、まぁなにがゲームのメインかはよくわからんところはあり、個人的にはメインクエストがエリア突破方式になっており、エリアを進めていけばところどころにあるチェックポイントで、メインシナリオが追加されていくので、これを読むのが本筋なんだろうと思ってる。

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 ちなみに、このメインシナリオ、現在シーズン2の6章まで公開されているのだが、自分はシーズン1の最終章、ラスト直前まできたところ。

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 ゲームのほうは、アニメダンボール戦機とつながってるところがあって、戦うためのパーツを女の子につけてパワーアップさせるという設定。アニメのほうはダンボール戦機をコンテンツとして消費してる世界の主人公が装甲娘ワールドに異世界転生して装甲娘として戦うという仕立てで、ダンボール戦機からもかなり距離が離れてる感じ。そもそもアニメの敵とゲームの敵は違っていて、装甲娘という概念だけは一緒だけど、危機の種類が違っているし、装甲娘もアニメ用に新しくデザインされたようでゲームのそれとも違ってる。だからゲームキャラも基本出てないし、ほぼ関連性が希薄で、アニメオリジナルストーリーになっている。


 で、アニメでは、主人公と同じように異世界から転生してきたほかの装甲娘と一緒になって敵と戦う中でいろいろ経験を積んで成長していくというストーリーになっている。まぁ長々と前置きが長くなったのだが、アニメとしての感想は一言でいえばそれなりにまとまってはいるけど、基本装甲娘の設定を利用したストパンかなという印象。#1はゲームとの違いにあまりに驚いてこりゃアカンと思ったのだが、#2以降はいろいろツッコミどころは多いけれども、ギャグとシリアスの切り替えの切れ味が鋭くて、シリアス部分は戦場の殺伐さをよく描けてるかなと個人的には持ち直した感がある。ただ、中盤まではそれなりに各話に設定したテーマを提示して処理してるのかなと思っていたのだが、終盤に入ってからは風呂敷をたたむためにシナリオが単調になって見どころがほどんどなくなっていくので、やっつけ仕事感が半端ない感じ。最終話で主人公が自爆を選択して(ただしその自爆で本当に死ぬわけではないという説明はされてる)EDからの結論はその時点である程度予測できるようになってるので、終わってみたらメタ構造としてそう破綻してる感じはしない。
 ただ、やはり一つのストーリーとしてこれだけは視聴者に伝えたいというメッセージがあるか?といわれたら、それはかなり訴求力がないと思うし、おそらくゲームの販促にもなっていないんじゃないかなという気はする。アニメが3月末に終わり、そして4月末でサ終決定なので、まぁアニメが仮にヒットして大量にユーザーが増えたらサ終を翻意した可能性は高いが、そもそもアニメ放映前からユーザー数なり集金力なりにもうすでに問題があって、いちおう放映はしてみるけどそんなにアニメの集客力に期待してはいなかったのでは…という感じはする。
 ダンボール戦機との関連性は極めて希薄とはいったが、そもそもダンボール戦機ダンボールが、プラモロボットを戦わせる競技場として内部の空間部分を使うという設定だと(なんか本当に自信がないが)思うので、このアニメ、各パラレルワールドから少女が装甲娘としてアニメ世界に異世界転生して集合するという構造が、各プレーヤーがプラモ(≒装甲娘)を持ち寄って、ダンボール(≒アニメ世界)の中で戦うという構造と相似形になっているという意味でメタ的にダンボール戦機との関連性があるのかもという気がしてる。


 ゲームのほうのシナリオは、精神的に不安定な思春期の少女(そういう女の子が適性上わざわざ選抜されているという設定なので)が繰り広げるドラマとしてはそうそう破綻してないので、ギャルゲのシナリオレベルで楽しめる感じ。ゲームシステム自体がオールドタイプのJRPGなので、どんな仕組みか把握してしまうと、レベリングは単調な作業の繰り返しになるのはまんま同じだから、慣れてしまったらシナリオぐらいしか楽しめる要素がないという気はする。そもそもDMMのポイントデイリーミッションでなにかDMMのゲームを遊ばなくてはならず、そのなかでもわざわざ装甲娘を選んだのは、まえにリンドリで遊んでた時に麗雫の2ndリデザでブレイクしたPOP絵を期待してのことであって、それに関しては満足してる。

サンファン#2~4

 主人公が魔剣目録を持ち出した理由の、愚昧な王族が出てきてひと悶着の話だった。台湾ではそう政治的問題が社会化してるという風にも思えないので、おそらくこれは虚淵が日本の政治の惨状を描いたのだろうが、それを台湾サイドの人に提示してもシラケるだけなんで、そのへんはうまく日本のことではないんですよというエクスキューズを念入りにやってる。でもまぁそのへん、現実の社会問題とリンクさせて大義を示し満を持しての対決に持ち込むんで、バトルシーンが盛り上がるのなんの。ただ、今までのシリーズより動きが激しすぎてさらに何やってるのかわかりづらくなってるのがちょっと残念。
 とはいえ、物語としての骨格はしっかりしてるのはいつも通り。大見栄切ったりハッタリかましたりの昔ながらの物語だし、そのへん展開はゆっくりしてるから、それが気になる人は避けた方が良いかも。

ましろ#2~4

 高校に入学し、かつて貧しかったころの祖父が弾いた即興曲を耳にしたというクラスメートの祖母に、その曲を復刻して聞かせる話。若菜ちゃんのセリフにもあったように、キャラに不足しているもの、欲しがっているものをほかのキャラが与えることができるという構図をすこしずつずらして配置しているので、すべてがつながりあった時の破壊力が凄い。なにより、ちゃんと音楽とシナリオが調和してるので、欧米の音楽映画よりもそのへん優れているとさえ感じる。まぁ自分民謡とか三味線はホントに素人なんで良さを評価できないんだけども、素人の耳でもそれなりに違和感なく受け入れてるからよくできてる。普通音楽部分は別撮りして作品には切り貼りするだけなんだろうけど、声優が動画を見ながら適切に演技するように、もしかして楽曲演奏者が動画に合うように演奏したりしてるんだろうか?。とはいえ、一般ミュージシャンが最近アニメのOP・EDに楽曲を提供するのに抵抗がなくなっているのは、アニメの物語性が音楽単体に付加価値を乗せて魅力が倍増するからで、自分が動画を目にして耳にしている楽曲も、そのような効果が上乗せされて好ましいと受け取ってるのかねぇ。
 前にも書いたような気がするが、自分が若いころには民謡とかダサいとしか感じてなかったのだが、もう2~30年ぐらい前からだと思うのだけども、犬HKのど自慢で昔は必ず出場者に民謡を歌う人がいたのに、今ではすっかり見かけなくなってちょっと寂しくなっていたという。アレ、おそらく職員が必死で市井の民謡歌手を探してたと思うんだよね。
 青森の民謡って、ホーハイ節なんかもそうだと思うが、一音を長く伸ばして変化させて変化させて表情をつけるのが多いんだな。で、そういうのは音そのものを聞かせるから歌い手の熟練度が厳しく問われるという。梅子が歌うシーンがあったけど、あれ、音を外さないだけでも大したものだと思う。