蜘蛛T13

 蜘蛛子、地上に出るもまたもやモンスター側とバトルの巻。うーん、うーん、OPもEDも変わったから新展開だろうと期待してたのだが、構造的に今までもなんにも変わってないのにワロタ。たしか1クールOP映像は勇者の肩に蜘蛛子が乗っていかにも一緒に戦ってますという構図だったような気がするが…。勇者側も転生前のカーストに未練たらたらのキャラになにかされたという展開の他はほぼ今まで通り。
 人間、環境が変われば生き方も変わる…もしくは変わらないものも、逆にエスカレートするものもいる…というのはたしかに人間を描いているという点でちゃんと文学してると思うのだが、個人的には展開が単調でコレジャナイ感が勝ってる感じ。蜘蛛子には転生前とがらっと変わった理由は何なのかという疑問がずっと燻ってるし、なので、今回の冒頭、前回の繰り返しだったのだが、生前自分の立場向上のためにあがかなかった蜘蛛子が、地竜に説教かますの何の冗談なんだろ?という。
 ただ、自分がモヤモヤしてるのは蜘蛛子がいつ人間に転生したクラスメートの陣営に属するのかという点なので、別にその時期をこの作品(原作だろうとアニメだろうと)がどの位置に持ってくるかなんてのは構成の都合でしかなくて、まぁ結局のところ、実際にそれが来たり、全部を視聴し終えてそのとき改めて判断する性質のものではあるんで、事実上保留状態でしかないのはまぁ仕方のないこと。ただねぇ、もうこの展開何話続くんよ…みたいなうんざり感は強い。

馬鹿野郎#14

 戦争が終わりつかの間の平和が築かれるの巻。うーん、必ずそういうメタファーだというつもりもないんだけど、戦争が終わる決め手になったあたりのロジックは、おそらくリュート側は原爆を使わなかった合衆国だろうし、レッカ側は兵士に特攻を強制したけど沖縄が戦場になる前に休戦した日本のように思える。頭に血が上ったフィーネが正気に返り、またブライハイトから解除されたゼツが撤退命令を下すのも、まぁこれだけはコロナ禍で感染対策を優先させなきゃならないのに火事場泥棒をやめることができず、メンツの為に威勢のいいことを言い続けていたアベ、そして結果的にスガへの直接的な批判になってる。まぁ見事だったのはやはり敗北を認めたゼツを無視して進軍命令を出す将軍、いかにも天皇が降伏を決断したのに全国民玉砕を叫んでた旧軍部への強烈なアイロニー。もちろん経営層の無能(というより自覚的な破壊)のせいで競争力が失われた日本で、今尚経営層や管理職が現場に自己犠牲を強いる構造が健在なので、それも併せてオマエまだ80年前の失敗を繰り返してんの?という嘲笑が感じられる。
 しかしなんだな、ルドルフやっちまったなという展開にしてる。こっからルドルフがやらかしの責任を感じて償いをしていくってそういう流れなのだろうか?。結果的にリュートは勝ったが、ルドルフは足を引っ張ることしかやってないわけで、これは例えば政府がコロナ感染拡大に邁進して、感染拡大防止の真逆の行動をとっているのに実際には爆発的にはなっておらず、それはむしろ国民の自主規制によるものなんだが、かといってアベやスガは責任をちっとも取らないという姿が晒されているわけで、本当ならやらかしたトップはどういう責任を取るべきか?というのを逆説的に示すのかも…という気がしないでもないが、次号予告のサブタイ見ると、ちょっとそういう方向性とも違うように感じる。
 しかしなんだな、戦争に勝っているのに相手の領土に攻め込まず、そこで休戦協定を結ぶのは昔の人民解放軍の在り方のような気がするが、結構そういう意味ではネトウヨがそれをそうと気づいたら発狂しそうな展開がてんこ盛り。実際にはそうではないのだが、特攻してくる兵士まで治してしまうフィーネの在り方は九条教のようにも見えてしまうんで、なんか今回はそういうのが盛り沢山で楽しかった。