オーフェン2#11

 オーフェンの魔術が唐突に復活し、敵に打ち勝つ瞬間に世界の危機のようなものになり、それを何とかしてしまう話。うーん、重大めかしてはいるけどなんか視聴者置いてけぼりのようなムズムズしたものがずっと流れていた感じ。世界の設定が唐突に語られ、状況が説明されていくのだが、それも突然なんとかなってしまうので、話を追っかけていくのもバカらしいという。いうなれば勝手に盛り上がって勝手に鎮静化していくみたいな。
 1期は現代と就職氷河期の成立期との対比で楽しむ余裕があったのだが、2期は説明に終始してる感じでなんとも何が言いたいのかよくわからん感じ。ただ、この最終回を視聴して思うのは、この作品の世界が、現実の世界なのか日本なのかは別としても、そういう人を脅かす危機に関して、能力を持ったものが鬱屈したものを抱えながらも個人的な事情を捨て置いて立ち向かっていくし、自己犠牲も厭わないみたいな風潮は、なるほど20年前にはぼんやりとあったかもみたいな感じはある。あの時期だと印象的な事件に京都中央信用金庫の立てこもり事件があるが、あれ、立てこもられた信金のほうは当時有名な貸し剥がしを行っており、資金繰りに困った企業に実際は貸しもしない融資の話を持ち掛けて、会社を助けるどころか社員の個人資産を奪うということをやっていたわけだが、言いたいのは信金の悪辣さではなく、そのとき立てこもった犯人の動機が、夜逃げした会社の社長の代わりに会社を立て直そうとしたのに、実際には信金に騙されたからというもの。当然そこには会社が潰れれば自分もだろうが社員が路頭に迷うわけで、それをなんとかしようと融資話に乗ったという事情がある。会社がまだ共同体としての性質を残していたからではあるのだが、では大企業はどうしていたかというと、例えば日産は社員を切り捨てるための恨まれ役としてゴーンを連れてきて、実際に社員を切り捨てていたという。日本はメンバーシップ型雇用といわれているが、社員なんて経営側が甘い汁を吸うための燃料なのであって、都合よく使い捨てにする企業が自民盗に賄賂を贈ってバブル期の尻拭いもしてもらうし、社員の切り捨ても黙認して、会社がやりやすいように雇用関係法令も捻じ曲げさせていたわけで、逆に社員を共同体の一員として抱え込むような企業はコスト競争や自民盗が作り上げた厄人の許認可権の餌食になって淘汰されていったという流れだった。そしてその直後に来たのがブラック企業であり、ブラック企業というワードからブラック労働という派生語が生まれるという流れになってる。組織が共同体的性質を強く持てば、共同体を維持するために自己犠牲に出る人間も出てきておかしくないし、それを恩に感じる風潮もあったのだろうが、今や会社の…というよりは経営層の利益にならなければ人は切り捨てていいという認識らしいし、実際積極的に日本のエスタブリッシュメントである政財界はその欲望に忠実に従ってきたわけで、なるほど今回の話はそういう現在と、昔の対比だったのかなという気がしないでもない。
 まぁそんなわけで、ストーリーラインのほうはもう1期のうちから自分にはピンとこないものだった。もともと企画がオールドファンに対するサービス的な要素が強かったらしいし、あの頃の若年層は就職氷河期を肌で体験していた世代なので、逆にファンにこたえる形でアニメリメイクをして、で、実際にはそのオールドファン層が改めてこの新作を視聴して今と20年前の社会の変化の様子に驚く…もしくはおさらいをするというそういう機能があったのではという気はしてる。はぐれ旅を続け、それはずっと続いていくというセリフだったが、オーフェンは旅先で事件に巻き込まれたり困った人がいれば首を突っ込んでいるわけで、やはり構造は男はつらいよのクローンにはなってる。というか車寅次郎は幼い頃に両親を亡くして妹のさくらとともに天涯孤独であったまさに「孤児」だったわけで、ネーミングからしてまんまではある。


ゆるキャン2#1~13

 途中一話か二話ほど突発で感想を書いたが、実際ほとんど感想書かなくてオッケーだったなみたいな。メンバーがソロキャンやグループキャンプを交互にやってみるという構成で、まぁソロキャンオンリーの傾向が強いリンがキャンプの幅を広げて複雑な関係性に突入していくとか、依存度の高い少年期から脱却して成長していくなでしこの物語として、それはそれでよくできてると思いながら視聴してた。…のだが、個人的に違和感を持ち始めたのが、終盤の伊豆キャンのエピソード。
 キャンプというか、メンバーで旅を楽しむシーンとしてはまぁよー出来てるとは思うんだが、どうにもマイルドなグルメと観光番組の構成なので、ちょっとこれは自分的にはアカンみたいに思っていた。特に気になったのが、キャンプの為にメインキャラの女子高生がバイトに励む流れで、これってキャンプが健全な趣味、バイトがコントロールされたものだからかろうじてまともな範疇にとどまってるのだけども、構造的にはブランド物のバッグを買うために援助交際して経済を回す…みたいなのと同じなのでなんだかなぁといった感じ。そういう構造に気づいてしまうと、なでしこがほぼ常勤でバイトをするのも、恵那が深夜とは言わないまでも夜間にバイトするとか、なんかにおわせたいものがあるんだろうかみたいな感じがある。これが、話が進む前の、リンが客があんまりこなさそうな小さな本屋の店番やってるとか、年末年始の郵便局バイトをやってるとかいうのは、ヘンな色は感じない。
 番組で紹介される各地の名物と思われるものも、どうにも鼻につくというか、今や本当に高級魚になってしまった金目鯛の干物だとか、イセエビは先生に買わせというのもうーんだし、出汁をとるために生徒が食べた後の殻を利用するのもなんか思うところがある。造り酒屋でもないのに通信販売で酒を買えというのも引っかかるし、中盤でリンが普段口にしないうなぎを親からカネ貰ってなでしこと食ってたが、こういうこと自体は昔からどこにでもあったことだし、極々フツーのエピソードなのであって目くじら立てるようなことでもないんだが、前述のとおり、いったんこの作品の構造がグルメ&旅番組の再構成だと思ってしまうと、要らぬ勘繰りをしてしまう。このへんやはり1個60円の身延まんじゅうだとか、校庭でコーヒー沸かすとかやってたのを思い起こすと、その落差にちょっと驚く。
 まぁ趣味の分野は奥が深くなれば大抵時間なりカネなりをより消費するものなのではあるのだが、こう、作品として風景を美しく見せようとすればするほど、そしてうまそうなものをここぞとばかりに強調したりすると、こう視聴者の欲を掻き立てておいて、こんな素晴らしい経験をするためにはカネが必要なんだよと、そしてそのためには本来やるべきことを脇に置いといて労働に勤しむ必要があるんですよと、そしてそうやって消費すればするほど経済は回るんだからこれらは決して悪いことではないんですよとか、どーゆー資本主義のプロパガンダなんだみたいに警戒心を抱かざるを得なくなる。いや、もう自給自足で、それでもなかなか生活が苦しいから現金収入が欲しくて農家+出稼ぎの時代はとっくに過ぎ去ってしまってるし、消費行動で金回りをよくして現代日本社会は回っているという段階に既に突入してしまっているので、こういう描写がアカンというつもりもないのだが、例えば書店に行くとなでしこが表紙の山雑誌があって、でも雑誌というのは今や有料カタログなんだから、それはそういうものとして受け取るから誤解のしようもないんだけど、この作品は関係性の向上だとか、自立に向けての成長なんかも描いているわけで、なんかこう無批判に受け取ってアニメの出来が良いとか賛美してちゃあまりにイノセントなんじゃネェの?みたいな感覚はある。
 まぁわからんところではあるが、今や原作付きのアニメ作品はあまり改変はしないようなので、では原作者が「キャンプの楽しさ奥深さを知ってくれ、そして実際に楽しんでくれ、そのためにはカネが要る。カネのないものはバイトでも何でもして工面してくれ、そうやってキャンプ界隈を盛り立てて、そしてそうやって消費行動に邁進して経済を回してくれ」というふうに思ってるとはちょっと考えにくい。でもなんか引っかかるんだよな。というか引っかかるように作ってあるというか。でもそういう消費社会のペーソスみたいな色はほとんどなくしてるというか、まぁフツーに考えてそれを視聴者に意識させてシナリオを構成してたら、読者は白けるでしょとは思うんで、そのへんなにか仕掛けとか、玄人の仕事っぷりみたいなのがあるかもしれん。
 まぁ感想としてミソをつけたようなものをダラダラ書き殴ったのだが、まぁ素直に視聴したらかなり出来の良い作品だとは思う。

城姫クエスト、ヒノモト無双予選突破。

 組み合わせの段階で、出場デッキを確認すると一回戦勝っても二回戦は難しいなと思っていたのだが、なんと最後怒涛の殴り合いで一人だけ立っていられたこっちがかろうじて勝利という激闘だった。この二回戦をもし抜けることがあったら三回戦はおそらく勝てそうと予想を立てていたのだが、こちらは負けた。この三回戦も激闘ではあったんだけど、向こうのほうが余裕があって、仮に再戦したとしてもおそらく負けそう。
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 予選で優勝できなかったのだけども、おそらく抽籤で予選突破の敗者復活らしい。ちなみに戦歴を確認すると
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 こんな感じ。なんか派手な金カップがあるが、おそらく決勝出場の勲章のようなものだろう。あんまり予選突破回数とか順番とか考慮されてはいないようでよくわからん。
 砲兵限定戦なのだが、だいたい砲兵の強キャラである五稜郭を主軸に編成するのがトレンドなので、高Lvプレーヤーが城姫単体としても、武将施設あたりの手持ちなんかでも、とにかく強化してれば有利で、同じキャラのステ違いどうしの殴り合いになる傾向は高くなるから、おそらく準決勝では負けるだろう。