ゲキドル#12

 かをる周辺の話をクローズアップさせて、アリスインの劇中劇に被せてEND。中盤から他人事感が若干強くて、これはこれで悪くはないんだけど視聴者としてノリきれないからどうしたもんかと思っていたのだが、まぁなんとかクライマックスはそこそこ盛り上がった感じかな。
 どうも響子が梓を撃ったことが混乱の原因で、時間の巻き戻しをしてせりあが正しい選択肢を選んだ…ということなのだが、そもそもイノベーターに追われてたエンリが何の犯罪で追われていたのか、どういう思惑でその犯罪とやらをおかしたのか不明なので何とも。ただあんまりそういうところに深入りしても意味はなさそうである。とにかくいろんな分野でそれぞれ事情はあるのだろうが、スタッフがこの作品に乗せるメッセージとして、日本は誤った選択をしている、その原因が個人分断化であって、昔に遡れるとしたら分断化という選択をしなければ日本がこのようにおかしくなることはなかったという主張としては若干弱めの提示程度なのであって、それを劇中劇とのオーバーラップで構成した叙事詩というだけのことだろう。あとは前にも述べた通り演劇の魅力紹介あたり。バランスが良いからどういう見方をしてもそこそこ楽しめるけど、逆にバランスが良すぎてこの作品の特長を一つ挙げよといわれたら、ハテ?となってしまう。キャラに感情豊かな演技をさせているから、視聴者としても感情移入してどっぷりドラマに漬かるのを期待してしまうんだろうが、構成が重層的でシナリオは抑制的なので、そういう態度を拒絶しているように思える。なんかゲキドルで検索かけると

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 つまらない…とあって、いやそりゃさすがに作品の意図が読み取れてないデショとは思うのだが、それこそこの作品の主題の一つである「舞台演劇とTVドラマは違う」が如実に表れた感じ。まぁ上述の通り詰め込む要素が多く整理してしまったら、整いすぎたんだろうなとは思う。自分はそこそこ楽しめたんだけど、とはいえ他人に薦めるほどのものか?といわれるとそうでもないかなといったところ。よくできているとは思うケド、なにかにつけこう深く切れ込むってところはないから演技ほどの迫力はないかも。