ジビエート#2~#10

 そろそろ消化せんとな…と見始めたんだけど、#5ぐらいまで辛かった。とにかくドン臭くて古臭い。ストーリーに独自性はなく、安直なお涙頂戴なので、こう、自己犠牲を並べときゃ形になるだろみたいな感覚で作ってんじゃねぇだろうなと思ってたぐらい。
 中盤からいろいろ気をつけてみると、どうにも一枚絵が多くてあー低予算なのね、デザイン方面にはそれなりに気を使ってるようだからそれでカネを使い尽くしたのか…と思ってしまい、そりゃ他のところまでリソースはまわらんよなと思っていたのだが、ならB級テイストなのも納得って感じだった。で、B級ならB級で、それをネタとして楽しむように作ってあるのか?と思えば、どうもそうでもないらしい雰囲気。中盤から、結構示唆的なセリフがポツポツ出てくるように感じられたので、これはそれなりに真剣に作ってあるらしいということに気づいた。
 で、いろいろ考えていたのだが、デザインに凝ってもそれをアニメとして視覚的に仕上げる余裕はなく、かといってジャパニメーションのシナリオ技術で視聴者にそれなりに退屈させないような作りにしたところで、他のアニメとの差別化はできないってこともわかってるだろうから、テーマは割と普遍性なものを持ってきてるようだし、ターゲット層を広く取ってガチ勝負に出てきてるんかなと思うと、そう外してるわけでもないなと思い直した。
 こうなんつーか、作品の作りが昔でいう旅芸人の大衆演劇風味で、娯楽がまったくといってよいほど無かった昔辺りだと、もう旅芸人が来ること自体が地方にとっては一大イベントなのであって、少々演技が大根だろうとそんなことは些細なことなのであって、非日常が味わえて騒ぐネタができるだけで大喜びだったのだろうと思うが、逆にそういう地方では凝ったことをやってもその真意に気づくはずもないわけで、誰にでも理解できるようなわかりやすさが優先される。音楽に三味線を使ってみたり、中世の雰囲気をもってきてるのも、そういうのを意識してるんだなという気はする。
 結局まとめて視聴することになってしまったが、#10まで視聴して、なるほどもたもたしてるのは一貫してるのだが、こうなんていうのかキャラたちに必ずしも合理的な行動をさせておらず、そのへんポイントポイントで視聴者にオヤっと思わせて考えさせる構造も仕込んであるし、物語上そいつだけはやっちゃぁいけないだろ!ということもどうやら巧妙に取り除かれてるような感じがする。作品のテーマに普遍性のあるものを据えているから、現代のあり方と比較させて考えさせることは容易だし、全体的なクォリティは低いんだけど、テキストはどん臭い割に堅実な印象は受けた。
 企画が2018年に始まってるし、さすがにコロナ禍との一致はそれほどでもなく、昨今のアニメにありがちなアベ批判もそんなに重ねられてる感じはしない。メインキャラの集団が旅を続けることによってメンバーが離合集散して極まるんだけど、何が取り除かれ何が加わるのかというのを結果から逆算してみるとそれなりに面白かったり。
 自分は折り返し地点あたりから作品の評価を持ち直したが、それまでにファンを獲得できる作品か?と言われると厳しいし、そこまで視聴してもフックがかかるとも言い切れない。上記述べたとおり、B級ではあるがネタアニメではなく、終盤まで視聴すると作品の意図することはなんとなくわかるって感じで、そう悪い作品でもないとは思うが、まぁ人は選ぶよねといった感じ。

宇崎#11

 宇崎が持ち込んだ私物の処理と、ボルダリングやカラオケの巻。前回あたりでもう飽きたかなと思っていたのだが、今回はそこそこ楽しんでた。鳥取旅行編が踊り場になって構成的に抑揚がついたとかそんなのだろうか?。まぁ主人公も言ってたように、いつもは宇崎がマウンティングを取る形が多かったのに、今回は宇崎が凹む展開で変化がついてたとかそんなのか?。理由がいまいちつかめないが、個人的に楽しめたんならそれでヨシ!ってなもんかねぇ。