回復術士#8
主人公が候補時代の魔王に会う話。国境付近の町で人間と魔族が共存ってのはまぁそういう話。税金払えばというのはイスラムが使った手法だし、特に目新しいものでもない。臥薪嘗胆している風だが、どうも魔王イヴは直情径行っぽくて、なるほど前世で主人公に負けたのもわかるという仕立て。踊り場付近なのかストーリーの起伏はあるにはあるがあまり感情にも訴えてこないし、濡れ場もいつもよりはさらっと流す感じだが、イヴを言葉責めするのは毛色が変わって新鮮だった。
オーフェン2#7
オーフェンがついに魔術まで使えなくなるのと、チャイルドマンの過去話。うーん、人を殺した罪悪感を引っ張る引っ張る。オーフェンがキムラックに来た動機もかなり薄れてきたし、となると今期のメインテーマがこの人を殺すことの是非なのかな。メインキャラ絡みの話が多くて、敵方のは、もう扱いが薄くて視聴者が忘れてしまわないように定期的に顔出ししてちょくちょく情報を小出しにしてるという構成のように思える。
昔は人の死に対して重大に扱う感じではあったのだが、かといってこの話、ちょっと奇妙に感じることが多い。敵方がこちら側だとかモブキャラを殺すのは割と描写として軽い。今回のチャイルドマンにしたって、一度死んで再構成されるのに、その一旦死ぬことが割と軽い。しかもアザリーに殺されてるからこれまた軽い。オーフェンが魔法を使えなくなったのは、人を殺した罪悪感などの内面からのものではなくって、もしかすると殺した相手の呪いだとか、魔術そのものにそういう戒めが内在されてるとか、他の要因である可能性もあるんだけど、それにしては引っ張りすぎるから、やはり精神的なダメージ*1とは思っているんだが、やはりオーフェンが人を殺したことの重大さが際立っていて、他キャラとの非対称性がどうにも鼻につく。普通なら身内が殺されて深い悲しみに落ちるなど、バランスをとってくるはずだがそういうチャンスはいくらでもあるのにしてない。で、今回でいうと、その魔術が使えないこととチャイルドマンの過去話が二大巨頭として並んでいて、ミッション達成のストーリーラインが弱くなってるから、ダイナミック感もテンポ感も削がれていて話が停滞してる感じが強い。
今ドキの作品だともうちょっとミッション達成のストーリーラインを強く描くから、こういう展開はおそらく対比でやってるのだと思うが、だとしても、それほど視聴者に相手を殺すことの是非についてそう迫ってくるものもあまり感じられないのが不可思議なところではある。まぁ今ドキの作品があっさりしてるから、あまりねちっこくやっても忌避されるだけだからというバランスだと思うが、どうもそのバランス感覚をつかみきれてない感じ。個人的には、それがメインテーマなら、もうちょっと深く掘り下げてもよさそうなもんだと思うが…。重く感じても深くはないのが、どうにも上滑りって感じ。