呪術廻戦#12

 真人と虎杖がついに相まみえるの巻。さすがにこのエピソード、次で終わりそう。そういやOP映像の終盤で仲良く談笑する虎杖の相方は順平だったのか。今更ながらに気づいたよ。でも高専で一緒にいる二人の光景は、ああなったらいいなという願望の類なのか、それとも順平がメインキャラとして合流するのかわからんな。
 内容自体はやはりいつも通りバトルシーンに重きをおいていたので、ドラマというか、掛け合いのほうはやはり弱いんだけど、この段になってしまうともうあとは流れに任せるぐらいになってしまうので、ポエム絶叫合戦なのはまぁこんなものかなぁといった感じ。個人的にはシナリオパートが踏ん張ってきてるのかなぁとも思うが、こうゲストキャラがバンバン使い捨てられて主人公の成長の肥やしになるのはむしろ望ましいとは思いながらも、その割にはなんか成長が遅いというか、吸収効率が悪いというか。本当に命の重みとやらをわかってるのかなとちょっと心配になるレベル。

シグルリ#11

 再チャレンジ作戦開始の巻。うーん、超絶微妙な感じ。脚本がリゼロの作者というのがわかっていたから、あーやっぱりシチュエーションしか描けないんだなと個人的には案の定といった感じだが、ただ、本当に長月達平のせいなのかどうかはわからん。小説漫画とメディアミックス展開なわけで、主軸はプロデューサーや監督が握っていて、脚本はそれに沿って仕立てるだけだから、正直なところ、その主軸の部分が良くなかったんじゃね?という気はしてる。おじコメ聞いてたら、メインキャラ以外のむさい男キャラは女の子に戦わせている自分に負い目を感じてるように設定してあるということを繰り返していたのだが、現代の若者が社会によって使い捨てされているという側面はあるけども、つい最近まで就職活動で傲慢になっていたし、やたら退職エントリをネットで公開*1して、あー天狗になっとるなとしか感じてなかったし、社会によって使い捨てされているということであれば、就職氷河期世代のほうが格段に酷かったわけで、やはりそれがメインのメッセージではないと思う。結局オーディンが悪役だということになってしまったわけだが、たしかに先の大戦でとんでもないことをしでかしといてその反省が全然ない連中だということであれば、戦争指導者だったのに責任を国民全体に押し付けのうのうと権力にしがみつき、自分の子孫に利権を受け継がせてきた自民盗の連中、それもアベがあまりにも典型的にあてはまるわけで、ではその敵に向かって戦っていくこちら側としてはあまりにもなんか甘っちょろいというか、社会との接点が殆ど感じられなくてしんどい。
 戦うべき相手をはっきり描いてないから戦う理由も希薄だし結局キャラ先行作品って感じ。なので、ディテールに凝るにしたってメカニック描写ぐらいしかないし、現用ジェットより二次大戦機が魔法で強いって設定してる段階でまぁよくわからんわなという。目標があやふやのまま、現場に丸投げして成果をもとめ、物語だから最後は成果を挙げられましたという結末にしなきゃならない。そういうグダグダな様子は確かに日本のあちこちの組織で見られることではあるんだけど、では、庶民に希望を見せることができてますか?、庶民の憤りに寄り添えていますか?、どうしようもない現状を打破しようにも、庶民に内在する矛盾を切り出していますか?とか、そのへんの我々の生き方に還元される部分が良く出来ているかと言われたら、さすがに疑問符はついてしまう感じ。


キンスレ#11

 試練を乗り越え、封印を解いてもらうが、敵の急襲を受けて混乱してしまう話。まぁ試練部分で言えばそう目新しいものはないぐらいで、ボチボチといったところ。まぁ昔の物語のフォーマットを持ってきてるということは、昔の物語に内包してるメッセージ性や諸々のものを継承するということなので、そのへんは無難といえば無難。だから仕上がりに気をつけているというのはわかっているといえばわかっているという感じかねぇ。ようつべのキンスレ公式チャンネル、エリーゼのお部屋をちょっと聞いたのだが、監督はクレオが気に入りだそうだが、あーなるほど、物語がフォーマットだから、クレオを動かせば華やかさが出て、それがこの作品の特徴になるからかと、まぁ納得といえば納得。不思議なもんで、1クール前半だとクレオはうざったいと感じていたのだが、監督のお気に入りと聞いてしまうと、なるほど彼女の言動に作為的なものが仕込まれてるとわかって、親近感が湧いてくるもんだなという。

アサルトリリィ#11

 美鈴の亡霊が夢結を蝕んでる間に敵が攻めてくるという話。なんか時間が過ぎるのが早いってイメージ。もう終わりかよみたいな。なんつーか、次回でそれなりの〆を持ってくるとは思うんだが、ストーリーは全然終わってないという。かといって以降もこのエピソードが続くのも微妙というか。なんつーか巨大な叙事詩の一部をチラ見せして終わりというか、こう、スター・ウォーズが全九部あるのに、最初の公開時はエピソード4から始まった方式とよく似た印象を受ける。
 美鈴と梨璃が夢結の手を引っ張り合っていたその決着がいよいよ次に着くという感じなのかな。自分的にはそういうキャラの相関関係が表に出ていても、それを包含する形で共同体としてのアジールがあり、そういう重層構造が演劇的に示されていたのかなという感じ。その中間としてホモソーシャルが描かれてるとも思うが、この場合、自分は知りようがないからアレだが、女のホモソーシャルというよりは、男のに近いのかなという気がしてる。もう一つの可能性として、男の思い描く女のかくあるべきホモソーシャルというのともちょっと違うんじゃないかなとも思うが、もうこれは思いつきのレベルで、そのへんは別に確信があって言ってるわけでもない。
 最初はこの作品を掴みあぐねていたけど、個人的にフックしてからは一気に駆け抜けたなという感想。

*1:ボクはこんなに出来が良いのに企業がその受け皿として不適当とかお前何様?って感じなのだが