ストパン3#3

 宮藤がまた不調になる話。うーん、シナリオのとってつけ感は今に始まったことじゃないんだけど、久しぶりの新シリーズなのだからもうちょっと説得性が欲しかったというか。スポ根挫折展開なんだけど、普通部隊の三分の一が死んでしまったら全滅扱いなのは、残りの三分の二のうち半分(つまり全滅前の部隊の三分の一)以上は負傷者になってるのが普通で、残りはその対応で戦闘に従事できる人員が0になってしまうからで、半人前×2で一人前なのではなく、半人前をのこりの半人前が支えたら戦闘力皆無になる。そりゃ部隊長が出撃を禁じるのは当然で、これを美談として受け取るのはおそらく先の大戦で部隊人員100人いたら100人死ねと言ってた日本ぐらい。野球で言えば、怪我したら一軍登録抹消してファームで調整した後に帰ってこいという時代にこれはなぁ。まぁウィッチという特殊能力を持つ人員に限りがあって、少しでも戦力になるならできるだけ出撃させなきゃならない状況ってことなんだろうけど、それこそ先の大戦で言えば休息なしに絶えず出撃させられてた日独の負け戦そのものだわな。合衆国はそれこそ兵隊を三分の一ずつに割って、三分の一は前線、三分の一は訓練、三分の一は休暇というふうに分けてローテーション組んでたわけで、経済力に余裕のある側がやれるカネ持ちのやり方はとれないってことだろう。普通はそういう状況になった段階で負けなのだが、相変わらず寡兵で大軍を打ち破る展開好きねぇといったところ。やはり、キャラが輝くための状況設定でしかない。
 とはいえ、日本の状況がそういう現場中心の労働環境になったわけでもなく、例えば働き方カイカクとかいって労働時間を削減しなさいと言われたところで、別にそれに対応して仕事量が減ったわけでもなく、結局サービス残業が増えて前より一層記録に残さないようになっただけのところも多かろうし、大企業が労働時間を減らした分、下請けにつけが回されたところもあるわけで、それを反映して共感を覚える層がいるっちゃぁいるわけなんだが。

キミ戦#3

 主人公もヒロインもお互い身も割れ、ヒロイン側の元勲と戦闘して打ち破る話。もっとラブコメ展開でうだうだやるのかと思っていたから、展開が早いのは有り難い。主人公もヒロインもそれなりに頭が回るという設定も話が早いのを裏付けていてなるほど。今回大ボスとのバトルでは、イデオロギー対決が見られてこれまた話がスッキリして有り難い。お互いの理想も現実離れしてるんだが、それでも一歩を踏み出さなければ何も進まないし、そういう意味で物語のミッションが明らかになったのもわかりやすい。連載を続けるためにはうだうだ話を引き伸ばさなければならないのが惜しいが、こう、問題提起したイシューを塊にして投げてくる構成なかなかおもしろい。
 しかし原作でそう表現してるのかどうかわからんけど、岩が街中に乱立している中立都市の風景、むかし桂林に行ったときのこと*1をふと思い出してなんだか懐かしくなった。自分が行った当時は観光都市といった感じで文化に富んだ街という感じはしなかったから、まさか参考にしたとも思われないのだが。

*1:観光地として有名だけどそれ一辺倒ってのではなく、大きな街ではあるから普通の都市といった風情と両立してた