賢者タイム#2#3

 話としての見どころがよくわからん。あれだけ異種族が臆面もなく迫ってくるのは、別にピーターに始まったことではないだろうし、なら何を躊躇するのか。世界観が一夫一妻だという説明があったわけでもないし、前近代社会ということであれば、別に妾はフツーで、体の関係がなくても人質や恭順の意で進んで女を差し出してただろうし、子を成せばいっそう繋がりが深くなるってことで、そのつながりの種類が多ければ多いほど、社会的な地位も向上するから悪いことなんてないはず。そもそもルベリアが嫉妬深いという説明もないし、今回モンスターに襲われて腰をくねらせて触手らしきものから逃げるような仕草だったから、子作りが何か本当は知ってるんじゃね?とすら。
 ルベリアの父もよくわからん。前近代社会なら子供を嫁にやらないという選択肢はないし、なら武闘大会にしろなにがしかの栄誉に浴した人間と娶せるのはよろこばしいことなのでは?。年頃(それこそ12~15)になって嫁にやれないってことのほうが心配な習俗では。
 あとサブヒロインのアタックもよくわからん。種族の代表として子種をということであれば、それは種族の総意でしかなく、フツーだったら媒人立てて話を進めてるはず。そこでピーターくんは契約内容を討議するなりお断りなりをすればよいのであって、サブヒロインが直接アタックするのはむしろ話を困難にするだけ。きちんと交渉人を立てたほうが確実だしなんで突っ走るのか。
 なので、ピーター君、正式な手続きを踏んで(しかもそれは自分でやらなくても周囲の然るべき立場の人が勝手にやってくれる)、好き放題やったら良いのであって、上記媒人立てて正式に話を進めてなくても、種族の総意であるなら体を合わせて既成事実を作ってしまうことはその種族は喜びこそすれ、何の否もないことなんだから、何に躊躇し、何に後悔してるのかさっぱり。種族の目的は子種であって、嫁の面倒見ることではないんだから、むしろ子作りに励めばピーターくん左うちわでしょ。
 っつーか、価値観の構築に失敗してるような気もするし、ヘンな話、異世界転生モノでもないのに、一夫一妻制の世界から一夫多妻制の異世界にピーターくん(とルベリアの父ちゃん)は転生しちゃったんだねと言われた方がまだしっくりくる。