つぐもも2#10

 ヒロインのすなおが主人公愛しさに、仕事にかこつけて転校までして押しかけ女房をする回。あの融通きかなそうな強気娘がこんなにデレデレするとは…という破壊力が凄かった。それでも名前同様素直になれないとかご褒美かよ…。まぁ組み手練習のときにはちゃんとできるんだから、同衾する機会があったら、今度はちゃんとがっちりカニばさみホールドして既成事実作っちゃいなさいという。
 個人的には今回のようにムチムチ作画も悪くないんだが、ちょっと下品方向に寄りすぎなんで、#2の作画のように線の細さも残しながら出るところは出てるって感じのほうが好み。

ゼロクロ#10

 アイリスは過労で倒れ、グローザは脈がないのを突きつけられるの巻。物語的にそんなに事態が進んだようにも見えないんだが溜めとしてもちょっと弱い感じ。ただ、今回はアイリス争奪戦からファイオスを、闇の王子争奪戦からグローザを脱落させる機能なんだろうと思うので、二人が精神的に繋がっていることを強化するという段階を踏んでるってことなのかな。
 しかし、ファイオスどう考えても職務放棄して信望を失い、フツーに考えたら解任モノだと思うんだがどうするんだろ?。別にファイオスいなくてもアイリス一人でなんとかなる戦力バランス(ファイオスおそらく戦力的に雑魚扱い)なので戦況には影響せず、物語上の貸し借り関係では回復薬を持ち帰ったことでアイリスとの関係はチャラだが、やはり王国内での司令長官としては全然ダメなはずで、それとも兵士にとってはアイリスの回復薬を調達したのでよくやったという認識にしちゃうんだろうか?。中二病的とはいえ、結構シナリオ練り込んでると思うんで、シナリオライター陣がこれをそのまま問題化させないとも思えないんだが、それでも今のところはスルー気味のように見えてしまうんで…。

空挺ドラゴンズ

 全話一気見。フツーにオモロかった。飛行船だとかテクノロジーの時代設定あたりが自分の好みドンピシャで、好きな要素を詰め込んで1つの物語にまとめてくれた…みたいな宝石箱のような設定で満腹感ハンパない。空を飛ぶ巨大生物を飛行船に乗って狩って商売する無頼モノみたいなお話だが、結局の所捕鯨船がモチーフなの丸わかりだし、エピソードも限られた空間で共同生活する船乗りにありがちなものの寄せ集めで特にオリジナリティを意識してるわけでもなさそうだが、その分今までの航海モノを見渡してバランスの良いものに仕立て上げてるようで、エンタメとして退屈はしない。
 自分、新番チェックのときは公式サイトでトレーラー視聴して、料理モノとして大いに期待してたのだが、思ったより料理…というよりは生きていく原動力としての「食う」ということがかなり描写としてメインに置かれていてビックリした。この作品があることすら新番チェックのときには全く知らなかったのだが、原作読んでいなかったとはいえ図らずも自分の期待のものがメインに据えられてたのはなんか気恥ずかしさを感じてしまうぐらい。そういやラストエグザイルも空飛ぶ機械と食い物の取り合わせが意識されてたな。あっちはスチームパンク臭強かったけど。ただ、架空生物の肉を食材としてメインに使うので、そのへんグルメアニメと比べたら、露出は多いけど扱いは言うほどでもなかったように思う。
 まぁ空飛ぶ巨大生物って段階で、リアリティを気にしてもしょうがなく、飛行船の設定、搭載重量と船体の大きさのバランスちょっとどうかなぁと思わなくもないんだが、それだけ効率の良い推力が発揮できる物理空間なんだなと思えば違和感は抑え込める。ただ、獲物を狩って甲板上で作業する以上、ブルワークがなく甲板が真っ平らの切り落としな構造であるのは理解できるんだが、とにかく風の強い高空での作業なんで、船べりに柵が全く無いのはどうしても気になって仕方がなかった。機関室の描写は潜水艦を彷彿とさせるのだが、船内環境は潜水艦よりは余裕が全然ある感じ。一度航海に出れば外界の情報からスパッと切り離されるわけで、そこで決まった人間と閉鎖空間で一日中顔つき合わせてパーソナルスペースがほぼない状態だから、食う事自体が娯楽というのはまぁ。
 テキストは、上記述べた通り手垢のついたものがメインなので、それは時代の選択を経たってことだから鉄板ではあるんだけど、終盤の龍の子供を群れに返すというのが、これまたちょっと引っかかってしまった。食うということは、人間が他の生物の命を犠牲にして生きながらえていく…ってテーマと、漁によくある、漁業資源を取り尽くさないよう成長過程の魚はキャッチアンドリリースや、そもそも目の荒い漁網をつかってサイズの小さなものは逃がすような工夫をするということにもつながるんだろうけど、正直メインキャラのタキタとあんな交流させてしまったら、アレどう考えてもタキタが船を降りる決断せざるをえんだろ…と思ってしまう。食い物、特に龍の肉に目がないミカの節操の無さのほうがまだ職業人としてのあり方に納得してしまえるというか。ただ、昔と違って特にこの10年20年ほどは、ベジタリアンからヴィーガンまでの動物愛護との絡みの進化がスゴいんで、そのへんのバランスを考えたらこうなってしまうのもなるほどといったところではある。
 あと、テキストついでに言えば、アクシデント続きではあるが基本日々生きていく日常を描いてるのは個人的にありがたい作品のチョイス。こういう空飛ぶロマンを題材に選んだら、それこそ上記ラストエグザイルのようにやれ空賊だとか空戦のように戦いを取り入れることが多くなってしまうんだけど、それだと必ず倒すべき敵が出てくるわけで、個人的にはそういう戦いが題材の作品ちょっと食傷気味。どうしてもその敵のメタファーはなんだろうか?に思いを巡らせてしまうし、そうなると社会悪や人間の内なる敵に向き合わないといけないんで、そればっかだとしんどいんだよね。物語の雰囲気としては先行作品のラピュタやラスエグというよりは、うまく説明できないけど黒澤明七人の侍というイメージ。
 まぁそんなわけで、CG作画でコストダウン、でも作画は全話クォリティ維持、声優は超豪華陣、マイナー雑誌連載の人気作品とくればハズレの確率は極めて低いと思わざるを得ないわけだが、その期待が十分満たされる作品ではあった。