球詠#10

 二回戦対梁幽館戦始まる。ほぼすべて試合の描写。こちらは新造チームとはいえ経験者7人だし、未経験者にそれなりのアドバンテージを与えて底上げを図っているとはいえ、相手は強豪で、そうであってもキャラに設定している野球の実力の範囲を超えることなく、なんとか均衡試合のように持っていってる手腕はさすがといったところ。自分は素人よりはちょっとばかし知識がある程度だが、おそらくそれなりの玄人が見ても、運が良ければこのぐらいの試合ができてもおかしくないぐらいの仕込みはやってるんだと思う。相手チームはほぼ全員新登場だからどんなキャラかわからないのだが、それをこっちのチームが相手の実力を測りかねるというところとよくマッチして緊迫感や不安感が増幅されるし、そうやって同一化ができるからこそキャラと気持ちを同じにして一喜一憂できるという仕掛け。なるほど、こういうのがこの作品の真骨頂なんだなと腑に落ちる。
 まぁフィクションなんだから展開も結果もどうにでもできるのではあるが、圧倒的ビハインドを一気に覆すミラクル展開だとか、そういうファンタジーに頼ることなく、こういうこと実際にあっておかしくないよな…というバランスの組み立てで、視聴者を試合に惹き込むのはなかなか。

神之塔#10

 いつのまにか最終試験らしい。まぁ今までの戦い結構激闘だったのはわかるし、残り話数からしてもそういう時期なんだろうが、正直個人的にはいつの間にみたいな感じ。あと、カジュアルに自己選択で脱落者が出るのが意外。受験戦争のようにいちおう一番上を目指すが、自分の実力を見きったら分相応のところで諦めるとかそんなのなんだろうか?。その割には死人が出てこの争い結構深刻なように思うのだが。
 ラヘルをヒロインとして位置づけてよいのかちょっと迷うが、いちおう正ヒロインに女の浅ましさを被せてくるのはよくわからんな。主人公が獲得すべき報奨だとすれば、できるだけ瑕疵がないように設定するのが物語のセオリーだが、ただ、等身大の人間を描くんだったらこっちのほうが正しい感じはする。ジャパニメーションの場合、結構女のほうが強いだとかすべてを包み込む存在とかに仕立ててる場合が多くって、そのへん文化の差なんだろうかとも思う。韓国朝鮮、中国はおろか日本より家父長制が強いとも聞くのでその影響なんだろうか?。ただ、他の女キャラも弱くはないので、そのへん日本で想定される男尊女卑ともちょっと違う印象。
 あと数話ほどなので話を〆てく段階だろうが、夜のために皆が団結するとかという流れ、競争社会でお互いがいがみあっても各人消耗するだけだから協力しましょうよみたいなメッセージなんだろうか?。夜が最初っから割と依怙贔屓されてるキャラだというのは自分が最初っから持ってる違和感ではあるが、そういう下駄を履かせてもらって、弱いながらでも確かに争いを避け困ってる人を助けようとする姿は一貫してる。ただ、彼がそういうまとめ役的な存在であっても、ちょっと理想的なリーダー像というのとも違うような感じがしてる。そういう感じはしてるんだけど、ふと思ったのは、昭和期の日本の管理職、今のように成果主義でのし上がってその地位を掴むってんじゃなくて、特に仕事上突き抜けたところはないんだけどなぜか管理職になっていて、人当たりの良さがその理由なんじゃ?みたいに選考基準に疑問が持たれてた頃の人間像に夜は当てはまるんじゃないだろうか…なんて。まぁ仕事上特筆すべきところがないのに管理職なのは納得いかんという不満があったからこそ、成果主義という主張が声高に叫ばれたわけなんだけど、なんつーか、確かに成果主義とやらが取り入れられてからは、日本の企業、やたらギスギスして、その結果、シャチバト#9の感想で述べたとおり、企業としての成果が出てるわけでもないのに、今の経営層今の地位にふんぞりかえったまま、日本の企業が果たしてきた疑似共同体の恩恵を受けるだけ受けて、後続の労働者からはそれを取り上げるってことをしてるわけだ。なので、夜を直接的に理想的なリーダー像として描いてるんじゃなくて、逆説的に今のリーダー層を批判するための補助線として視聴者に示しているのかも…とふと思った次第。まぁ韓国、確かに日本に併合されてから経済の上澄みを日本に牛耳られて、企業経営の仕方が戦後も続いてきたわけで、今となっては経営方法も日本とは違ってはいるんだろうけど、それでもなんらかの影響が残っていて、そこに自分がなにがしら似通ったものを感じ取っているのかな…と思わなくもないが、正直自信はない。

プランダラ#21

 撃墜王たちもPTSDに苦しんでいた(る)んだよというお話。しかしなんだな、やっぱアビスからの搾取でアルシアが成り立っているとすると、この苦悩も薄っぺらいんだが、そのへんはもうちょっと先か。シュメルマンも生徒がいないところでも殺さない軍隊云々言ってたようだが、そのへん彼の中では合理化が起こっているのか、それとも道安の言った通り彼にも変化が起こったのかよくわからん。
 しかしオリジナルバロット?とやらが転げ出る展開が強引すぎてワロタ。