ViVid Strike! 第7話

 まぁ仕方のないことゝはいえ、雑魚キャラの変身シーンの扱いはちょっとなぁ。
 うーん、試合が盛り上げる前段階で、どちらかというとインターミッション的な要素が強いだろうからそうそう作りこみもしてないんだろうけど、ちょっとテキストも雑かなと思わなくもない。上述の一言ツッコみについては、リング上の変身シーンは観客も楽しませるという要素があろうし、本人の気分も高める効果があろうから、雑魚キャラといっても手を抜いてよいものでもないと思うんだよな。相手も強いということを示してこそこちらも強いということが示せるので、試合も重量級であることの強さをそれなりに示してからアインハルトの圧倒的強さを示すという風でないとせっかくの格闘モノゝ醍醐味が薄れるというもの。せいぜい相手の見せ場を30秒もあれば表現できるのだから都合はつけられるのでは?。
 今回のリンネの里親絡みの説明も個人的には雑だと感じた。前に時間をかけて説明してるから回想シーンでこうやって提示すれば動機説明を強化できるだろ?という驕りが見えてショボンヌ。キャストを見れば豪華ヴェテラン陣なので、彼女たちがこの脚本を読んで心を動かすようなものであるべきなんじゃネェの?という気はする。ヴェテランだからこそ脚本に気を遣って演技でカヴァーってのはそうなんだろうけど、アニメスタッフ全体の士気に関わりませんかねぇ。都築真紀がどう考えているのか今一わかりかねるが、プロデューサー視点だとやはりなのはシリーズファンも当て込んでのアニメ化だと思うので、ファンの成長も見込んでそれなりの深みのあるテキストにすべきだと思う。方向性としてはやはりフーカ・リンネの和解とリンネの救済というのは間違いないだろうから、そのへん構造としてはなのは無印とほとんど変わらないわけで、しかもなのは・フェイトが年齢に応じた若さによる情熱が主であって、フーカ・ヴィヴィオ・リンネは若さよりは落ち着きが見られるわけで、もうちょっと脚本も一歩踏み込んだものになっているべきだと思う。
 そのへんなのは・フェイトの頃はブラック企業という認知度が上がっていて社会が地獄であるという認識がなされる最中の現場の切羽詰った感があったという時代と、この作品ではブラック企業(やいじめ)の認知度が高まって当人達には社会が地獄であるということが既定の路線である上でのあの落ち着きであるというところは時代の空気感は表現してると思うので、わかってないはずはないのだとは思う。客層を広く取るためにテキストはわかりやすさを重視したのだろうけど、ヘンな話視聴者を見くびってるという結果にしかなってない。
 今になって思えば、なのはの時代は経営者が日本のメムバーシップ雇用に胡坐をかいて労働者を奴隷扱いし、その中なのはが自分の懐に飛び込んで救ってくれようとする態度に天使!という評価がなされていたのであろうが、今やブラック企業・労働・パワハラは既知の問題であって、経営層はスラップ訴訟を仕掛けてくる時代だしいじめも陰湿・巧妙化しているわけで、周囲が助けようとしてもそこに慎重な態度が必要であって、しかもそれで問題など解決しないってのはいやな進化の仕方ではあり、そういうのは表現できているのかなという気はする。が、そういうのは得てして他人事の態度であって、物語の吸引力はどうしても弱くなるだろう。相手に文句があるのならいじめなどの陰湿なものでなく、格闘技に見られるように直接的に争えってのも時代感覚にそぐわないとしても筋が悪いものでもないし、で昭和期の単純な物語になってるわけでもない。が、やはり視聴者に深く切れ込むものがないと、ファンタジーであるからこその強みを活かしてない感じはする。まぁ今回の話の立ち位置がそうそう間違ってるわけでもないとは思うし、最后まで視聴して振り返ってやはり今回の話は正解って結論になるのかもしれないが、個人的にはこの辺で一つ話の山場を持ってくるべきじゃなかったのかという気がしてならない。