波よ#2#3

 うーん、楽しく視聴してるんだけど、正直感想としてあまり書くことない。ぶっちゃけ話含め全体の勢いの良さと、ラジオ愛が心地よいそんな感じ。

アルテ#2#3

 なんのかんのいって、やっぱりイタリア男はという話。なんか女の自立話が続くが、正直「女が女としてではなく仕事で認められるには女としての特権を捨てなくてはならない」というのがあの当時でそうそうメジャーな概念だったとも思わないので、そのへんなんか現代のフェミ界隈に物申すとかそんなのだろうけど、そこにまた恋愛も絡めてきてうーんといった感じ。今でこそ親の家業を息子だろうと娘だろうと男女関係なく…というのが当たり前になりつつあるが、それでもスタートアップではなんで女による創業が少ないんだろ?とも思うんで、そのへん男女差が日本より少ない中国のあり方考えるとまだまだ発展途上なのかどうか。とはいえ、この作品どう考えてもイタリア中世画家としての立身出世物語ではなくて女の自立がメインテーマだから、相変わらずおんなじところをぐるぐるしてるなぁという印象しかない。
 背景の話はルネサンスで確立された遠近法の話かと思ったらそうでもなかったし、絵に込められる物語性ということであれば、むしろあの当時だと徒弟ですら理解してたのでは?とも思うし、腑分け女人禁制の件にしても、アルテが貴族様だから世情に疎いとかそういうのはあるにしても、わざわざ親方が男の服を用意もし、それが男の服だとわかっていて、ひっそりと行われているところに連れて行かれるってところから何の察しもないのはちょっと雑じゃねとも思うわけで。なんやろ、時代考証鈴木貴昭連れてきてチェックさせてるみたいだけど、原作を大幅に改変するわけにもいかんだろうし、なかなか大変やなと思うが、それにしてもこの作品ならではといったところが今の所見られなくてちょっとしんどい。
 あと、レオナルドの名をナレーションで触れ、それで親方の名前がレオ、で、わざわざ解剖の現場にアルテを連れて行くってことは本人じゃね?とほのめかしているとしか思えんわけだが、そのへんもなんか雑な扱いやなといったところ。なんか背景を描かせるエピソードも、やはり漫画家がアシスタントに背景を任せる過程で教育するってのと変わらんわけで、単に舞台を中世に持ってきた現代の物語という範疇を出てない感じ。とはいえ、なれたのかどうかわかんないが、第1話よりはストレス少なかった。
 うーん、もうちょっと推移を見守ってから書くかと思ったんだが、忘れてしまうかもなので今言及しておくが、確かにギリシャ時代のテクノロジーを輸入して発展させることでルネサンス期イタリアの美術工芸も発展したのではあるが、逆にそれが仇となってイタリアの工業の近代化が遅れたわけで、では大量生産とか工業の発展がなければ家事労働から解放されるということも遅れるわけであって、男女差別の解消とルネサンス期の工房のあり方はやはり食い合わせが悪いとは思うんだがそのへんよな。まぁ別に今の所男女同権というのがこの作品のテーマではないし、むしろ男女差別が厳然としてあるという環境の中で、いかに精神的にそれを跳ね飛ばして自分の好きなことを武器に手に職をつけて世の中を生き抜くってことだから、そのへん何の矛盾もない*1んだけど、まぁなんというか物語としては手に垢のついた手法なんでどうにももどかしい。

*1:むしろ作品としては女として自立したいんだったら(差別されたくないんだったら)女だからちやほやされるのを良しとするなという立場のように思えるので