球詠#3

 ありゃりゃ、メンバーも揃ったし、意思統一もやっちゃったよ。ハチナイがもうちょっと個人個人にトラブルを抱えさせながらも、それを丁寧に解きほぐしながら、決して勝利至上主義ではない方向性でスポーツとの距離感を図っていたと思うのだが、これはもうかなりスポ根よりだねぇ。最近は高校の部活動のあまりにもな集中具合に現場(指導者も生徒も)もモチベーション下がっているようだし、自分もいちおう今の状況やりすぎなんじゃね?という立ち位置なんでアレだが、せっかくやるからには道を極める、そしてその経験は社会人でなんらかのクラブに所属するのでは決して味わえないという側面もあるわけで、この作品ではハードルを下げるためにスタートアップという状況を設定することによってそっちの道に突進していくんだなという。そして現実だったらいろんなものを犠牲にしてあとに残るはぺんぺん草ってことにえてしてなってしまうわけなんだが、まぁこういうフィクションだからこそやれるってこともあるわけで、そのへん王道の面白さの予感はあるっちゃぁある。
 しかし、経験者7人、未経験者でもその道の達人にモチベーション高めの初心者とか、このへんズブの素人の数が多いとさすがに試合で好成績というのはリアリティないだろみたいなところも考えられてると思う。剣道も素人考えだと腕っぷしの強さもしくは上半身で竹刀を振り回すと思われがちだが、アレ、打ち込みのときにきっちり踏み込みを重視するからむしろ下半身で竹刀を打つって感じなので、バッティングにおける、踏み込みと腰の回転あたりと相性が良い。あと、これは人に聞いた話だが、バッティングには実はセンスがあるらしくて、アレ、なんぼ素振りをやっても、実際に打席に立つ回数が多くて経験が多くとも、そのセンスある選手が代打でポンとヒットを打ったりするのにかなわないというそういうこともあるという。まぁ野球の場合、代打を出せば強制的に選手交代させられるので、いろいろ辻褄合わせをしながらも、守備もあわせて総合的に判断しなきゃみたいなところもあってなかなか難しいということらしい。
 あと、割と気になったのが太腿の描写。中学で引退してから日も経ってブランクも長いのにあんだけムキムキに鍛え上げられてるのは女の子の描き方としては結構やりすぎな感じ。自分も普段だったら、こう、なよなよした肉付きだったらリアリティがないと吠えてるところだが、毎日ハードな練習を続けているという設定ならともかく、現段階ではそうではないのだから逆にアレ?って感じてしまった。あれだけ脂肪が少なく締まった筋肉*1なのは、毎日ハードなトレーニングをやってるバスケやサッカーぐらいで、個人競技としては割とあんな肉付きでもおかしくない陸上テニスでも、やはり中学卒業時点であんなになってるのは稀。そのへんやっぱり頭をよぎるのが前回も述べたとおり、これ、女子野球を題材にしてるけど、本当は高校野球の世界をかなり取り込んどるんじゃね?という視点。実は男子であってもアレだけ太くて締まってる筋肉に作り上げられてるのは中学卒業の段階だったら、やはりあんまりいないんだけど…。

*1:中学でソフトボールやってるとあのぐらい太くはなるのだが、脂肪を絞り込むのは結構難しい感じなので