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 フツーに物語として面白かった。なんか最近の作品、おそらく当のスタッフがそう意識していなくても、社会批判色が出てしまうし、個人的にはむしろそうあらねばならないぐらいには思っているが、それにしたって、どれもこれもとなってしまうと食傷してしまうわけで、その点で言えばある意味この作品はある種の清涼剤だったような気がする。原作付きの作品なんで、原作読んだほうが味わい深い作品なのでは?という予感もするが、このアニメでも個人的には十分楽しめたって感じ。
 こういってしまったらなんだが、いい歳こいたオッサンたちがもたれあう気色悪さというのがあって、しかし全然それが魅力になっていてなんとも不思議。ヘンな話おおきなおねえさんむけの作品なんだろうなという気もするが、そのへん追っかけてないので実際そうなのかどうかよくわからん。最後の最後で好感度ランキングを著しく暴騰させた桂木も、自分は典型的な叩かれ役と思っていたが中盤に入る前には既に魅力的になってたし、誰が善人で誰が悪役っていうよりも、誰もが一生懸命生と格闘していて、心理戦も暴力もその手段の1つでしかないというふうにみえてきたので、視聴後感は悪くない。フツーなら裏社会を描くのにヤクザを題材とするのだけども、今どきはこういうやり方なのねというのも勉強になったというか。