ランウェイ#9

 せっかく千雪をモデルに、最終選考のアイデアを練っていたのに、心のためにモデルチェンジになってしまうという。デザイナー物語の流れとしては、着る人とアイデアを練りながらというところ、着る人のことを考えてデザインをするっていういわば理想形になりそうだったので、これでコンペに向けて勢いがつくか?と思っただけにこれはどう評価したら良いのか迷う。展開として面白くなりそうではあるんだが、話の腰を折りにきてないか?とも思ったわけで。あと、クライアントの要望を聞くことが本当に最上のものか?ということもあって、いやいやこのコンペティション、たしかにモデルとデザイナーとの和合は重要だけど、あくまでデザイナーの表現の場なので、モデルは主体というよりは脇役のはず。それにクリエーターという見方をすれば、例えば漫画なんかはそうなんだが、読者の要望を全部聞いたら面白い漫画になるのか?と言われたら決してそんなことはないのであって、一時は集英社が飛ぶ鳥を落とす勢いだったのに、読者アンケート至上主義に走りすぎてしまって、漫画家のやる気もなくしてしまって、ジャンプの売上が落ちたこともあって、まぁ読者置いてけぼりもいかんけど、かといっていいなりになるのも意味がないという。そのへん、表現者としてのおかっぱくんのデザイナーとしての成長が今の所見えなくて、あぁやっぱりビンボーが全部悪いんやみたいな単純な結論で終わらなきゃいいのだがとほんのちょっとだけ心配してるという。


 あ、そうそう、書店に行ったという話をちょっと前に書いたが、この作品、イベントコーナーに平積みされてて人気あるんやなと今更ながら再確認したんだけど、これ、連載誌、週刊のほうのマガジンなのな。贔屓にしてた喫茶店が潰れてしまって今でこそマガジン読んでないんだけど、ヴィンランド・サガも初期の連載は週刊マガジンだったし、割と冒険的なことをしてるのが今も続いているんだなと懐かしく思った次第。で、てっきり少女漫画からの転身だと思ったので、そもそもマガジン一本槍っぽく賞に応募してたように見受けられるんで、そのへんも意外に思った次第。まぁ確かに最初の頃は面食らってわからなかったが、今落ち着いて考えてみると少女漫画特有の繊細さみたいなものが希薄には感じられるんで、納得といやぁ納得なんだけど、詮索するより純粋に作品楽しんだほうが勝ちのような気もする。