マガジン最新刊はやたら熱かった。

 定期的喫茶店にて週刊誌巡回を行ったが、週刊マガジン中の連載がいろいろヤマ場を迎えていた。
 自分の中ではマガジン一のお気に入りに近いむろみさんがやけにクサい流れになっていた。「釣れないことが本日の釣果」なぁんてね。でも大抵の釣り好きの人って釣果が目的ってのが多いからねぇ。主人公のたっくんが釣りを趣味にしているってのはそういう意味での釣り好きではないんだろう。かくありたいものだよな。むろみさんに映画や漫画をコミュニケーションツールと言わしめたのも面白い。
 瀬尾真治の連載も修羅場だった。なんつーか、彼が少年漫画誌で連載ってのも不思議な感じだ。自分のイメージだとマガジンはヤンキーモノが多いって感じだったが、こういうパンピーの恋愛モノを取り入れるのは当時は冒険だったはず。ある種の人間にとって、女にモテるツールとしてヤンキーというスタイルがあったわけで、フツーだったら瀬尾漫画が売上に貢献するとは考えないものだ。まぁ自分は斜め読みすることも多いんだが、それでも目に留まればパラパラとスキャンすることは欠かさない作品。気が乗れば熟読もするので、彼の起用を決断した編集部ってかなり偉いのではないかと思う。いや、自分のツボである黒髪ショートの純情少女が使い捨てられる*1のは胸が痛んでしょうがないんだが。
 スポーツ漫画はバスケと後出しサッカーが燃える。なんつーか、自分はスポーツのディテールは、破綻をきたさないだけのリアリティが確保されていればよくって、不幸を乗り越えるとかそんなんが好きっぽい。まぁ単純なお涙頂戴モノがツボなんだろう。本当ならむしろ日常の積み重ねを作者がうまく切り取った作品のほうがレヴェルは高いと思うんだが、どうもいけねぇな。お涙頂戴モノだと不幸のネタが尽きたら終いだし、不幸話を連続させると慣れてしまう。そういう構造は二昔前のジャンプ漫画、つまり強い敵(のインフレーション)・友情・勝利のワンパターンと変わりがなくなってしまう。バスケのほうは作者がじっくりと腰を落ち着けて連載している感じがするが、オバドラ作者によるサッカーのほうは勢いがありすぎて、読んでいるこっちは今のところ手の平でうまく転がしてもらっているから文句のつけようも無いんだけど、どこまで続くのか一抹の不安を感じてしまう。
 ストーリー漫画が熱い反面、絶望先生が霞んでしまって残念。クォリティは変わってないように思うんだけどね。あと氏家ト全もぱっとしないな。やっぱ濱中アイのように、4コマではないコマ割りにしたほうがいゝんじゃないかと思うんだが。この人のいゝところってネタの膨らませにあると思うんだが、4コマに限定されて窮屈な感じがする。今だって4コマ単体で終わるネタよりは、話が連続しているものも多いしな。強制的にストップがゝゝっている感じがする。妹は〜よりは濱中アイのほうが面白かったと感じているのだが、他の支持者はどうなんだろう?。アイドルのあかほんはさすがに浜中アイよりは勢いがないようには感じたが。
 ん〜、サンデーも銀の匙目当てでチェックするのだが、藤田和日郎をはじめとしていくつかの連載が臆面も無い昔話フォーマットを使っていて感慨深い。っつーか、藤田和日郎のは題材が昔話なのであって、お話自体はむしろ熱血系なんだけどな。やっぱ人間が引き寄せられる物語のフォーマットって限られてくるんかね?。

*1:こういう造形の娘は一途なだけに浮気をせず、主人公が初めからこういう娘を選んでしまうと話が膨らまないので、こういう役回りにさせられるのは仕方が無い。