Re:CREATORS 第22話

 結局みんな自分の物語に帰りたいんだな。
 ちょっとオモロイなと思ったのが、自分たちの物語に帰る際、キャラたちが原作者に物申すのは、あれ、結局キャラが読者の承認力で現出したんだったら、いわゆる読者の要望ってことなんだろうなということ。そうだと考えると一番厳しく作品に向き合ってきたのがブリッツの原作者なのかなという。娘を殺すなというクレームが来るということは、それだけ読者がキャラに感情移入させられており、見たくない展開を敢えて見せることによって読者に深い衝撃を与えられたってことなので。もし彼女の作品が優れていなかったらそもそも作品自体が相手にされず(売れず)クレームすらくることはないわけで。そのへん駿河以外の原作者は読者と対話はできているかもしれないが、駿河は対話はむしろ拒否してあくまで読者と対峙するという立ち位置なんだろうなと思った。
 メテオラさんが残ったのが意外なんだが、これはファンが原作の版権を買い取って続編を作るとかそういうのに対応させようとすればできなくもないし、その他にもいろいろな可能性を考えることもできるんだけど、別に解釈を一つに絞る必要はないと思う。真鏨ちゃんも放置かよと思わなくもないが、どうせ魔法は切れて無害に近くなるし、そもそもこの作品がクリエーターの心構えだとか心意気を示したものだと思うと、別に触れなくても構わないんだろうなとも思った。
 大きな物語を期待する層だと、これだけメタ構造てんこ盛りは拒否とは言わないまでも素直に心から楽しむってことが難しいのかもしれない。個人的には中盤の薄さが若干もったいない感じだが全体的には結構考えさせられるものがあって企画として面白かった。雑誌連動企画らしく自分は雑誌の方はチェックしてないのだが、こういう企画はめったに見られない気がする。いや逆にこれが先鞭となってこういうのが当たり前になってしまう未来がないとも言えないわけだが。