ランウェイ#4

 ドラマ的には踊り場のような気がするが、個人的な興味からすると勢いが鈍らない感じ。隅々とまではいかないんだろうけどやっぱファッション業界のことを全部詰め込んできてるだろうから、ドラマ部分でもたもたするわけにはいかないんだろう。とはいえ、妹ちゃん空回りさせるのはお涙頂戴的展開に無理やりしたんだろうけど、ちょっと意地悪な感じはした。あと喫茶店経営厳しいだろ。
 今回の話で想像できるのは、おかっぱくん、古着の手直しをするときにおそらく全バラしてたんだろうなという。裾直しなんかを考えたら、別に服の手直しなんて余ってるところや足らず目のところだけ直せばよいのだろうけど、それだったら型紙を一から書き起こすなんてできるようにならない。
 昔の母親たちは雑誌の型紙から子供の服を手縫いしてたわけだが、その型紙通りに作っても子供に限らず体型なんて人によって千差万別なのだから、ピッタリ作れるはずがない。そもそも昔の学校教育で体型にあった型紙作りまで教えていたわけではないし、最初は誰でも雑誌の型紙通りに作って、それを実際に着せてみて、やはり余ったり足らず目だったりするわけで、既成の型紙から変化させて服を作れるようになるためには試行錯誤が必要になってくる。運が悪けりゃせっかく作っても全然フィットせず布地を無駄にしただけってこともあっただろう。しかも子供用の服だったら子供が成長してしまうわけで、自分のスキルが型紙を修正して子供に合うように高まるまで学習を繰り返すのも、そうやって試行錯誤を繰り返しても結局背が伸びてしまえばせっかく作った服もスグに用無しになるのも、どちらとも効率は良くない。そのうちに日本が豊かになり、マスプロ生産が発達して既製服の値段が暴落していくと、そりゃなんでそこまで手間ひまかけてわざわざ手縫いしなきゃならないのよとなってしまうのは必定。既製服のほうは既製服の方で、例えば子供向きに母親が服を買う折には、ちょっと大きめのサイズを買えば、あとは少々成長しても余裕があるようなデザインに作っているわけで、そりゃ買って済ますほうが合理的でしょという時代になってるわけだ。
 そういう中で、おかっぱくんがわざわざ古着をバラしてパーツを研究するとか、まぁ確かに実益も兼ねてはいるんだろうけど、趣味の範囲でとしてもそれほど違和感はない。上記の通り、フリーサイズを心がけて作られた服というのは、汎用品としてはもう完成されたデザインなのだから、それを見るだけで勉強になるってのもわからん話ではない。ヘンな話、あれだけ興味があって、今回型紙起こしまで出来ていたから、自分で考えたデザインを一から型紙起こしし何度か服を作っていた可能性が大きい。そりゃいくらやる気が十分でも、デザイン学校で先生が与えようとする知識を口開けて待ってるだけの生徒と比べたら、雲泥の差でしょというのは説得性がある。
 まぁスポ根モノだと、練習試合どころか公式の大会の中ですら試合を通じて主人公たちが成長するって物語が結構多いんだけど、この作品の場合、そういうシチュエーションであってもちゃんとそれができるだけの下積みというか基礎知識は今までの生活の中でちゃんと仕上がってますよという形に見えるので、劇的な演出の割にそのへん考えられてるんだなというのがわかってなかなかにして侮れない。