今回は司書悪くなかったかな。

 慎重勇者はあいかわらずの面白さ。さいころはぼちぼち。今週は司書が割とよかったかな。というのも、「自分が稼いだお金を自分のために貯金」というセリフが妙に光ってるとこ。これ、いわゆるヴェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神のアレ。ルッツがマインのセリフで気が楽になったといってたから、庶民はカトリックに縛られてるはず。ベンノは商人だから、たとえカトリックであったとしても心の底では儲けや貯蓄バンザイだったろう。つまり、おそらくマインはカトリック全盛のあの世界に、紙作りなどの技術と同じようにプロテスタンティズムを持ち込んだ…という描写のはず。もしあの世界観でプロテスタンティズムがあったのならルッツが後ろめたく思うはずがない。カネにつられて人々が労働に精を出し始めるのもおそらくそれを意識してるから。
 これは前回☓と示したことなんだが、契約に魔法を使うのはどうなんかな?というトコ。魔法が不正を許さない世界観なら、商売で人を騙すだとかそういう試みは自動的にないことになるわけで、ならカネはあるとこからできるだけとれとかと整合性が取れない。そのへん安直に魔法を持ち込んでほしくなかったかな。あとは身喰いの扱いがしつこい。個人的には黒死病とかと置き換えて視聴してるし、フツーにそのあたりの伝染病でいいじゃんと思うが、転生とか身分制度あたりと紐付けしていてこだわりがありそうだから、自分が文句つけてもなとは思うが。
 やっぱこの作品のキモはともすればあっさりと死にがちな中世(ファンタジーだが)で、人の命を慈しむって感じの人々の想いの部分なんだよな。医療技術が発達していないからこそ死に対して謙虚にならざるを得ないし、いざ自分が死ぬかもと思えば他人の死もそう無碍に扱うわけにはいかないって精神性ね。カネを積んでもカネ持ち貧乏人別け隔てなく死ぬときはあっさり死ぬし、だからといってカネ持ちはカネを積まざるを得ないってのもイイ。中世の人々の死に向き合う態度がこの作品のとおりだったかどうかは別にしても、少なくとも現代の死生観とは違うってのを示すのは割と好意的に評価してる。だからこそ身喰いとかファンタジー要素でごまかさないで欲しかったってのはある。個人的には本当に人が何人か死ぬ描写を混ぜて対比して欲しいと思わなくもないが、この作品のカラーだとか、主人公でこれだけイジっちゃったら、もう無理なんだろうとは思うが。