久しぶりにハチナイ
一回は全仏オープンでだったのだが、結局二週連続で放映が飛んで三週間ぶりに最新話(第8話)を視聴。目的集団に変わって早速特訓だのイケイケムードになるのかと思ったら部昇格に関するエピソード。女子野球の不遇な歴史も語られて、正直プロデューサー会議でよくこういうシリーズ構成がオッケーされたなと思う。よっぽど愛がないとこういう脚本にならないと思うんだが、テキストスタッフ結構考えてもいるし好きにやっているんだろうが、それを認めてくれるスポンサーあってのことだよなと。
まぁリアリティ考えたら、署名で承認されるもないし、カネ周りの学校運営のことならば顧問の覚悟とかで決められる事柄でもないんだけど、しかし情熱だけでなんとかなる問題ではないところに切り込むところとか、ファンタジーの上にちゃんと議論を俎上に載せる仕組みになっていて、やはり見ごたえはある。
ちょうど部活動のあり方でネットでかなり報道がとりあげているせいか、もちろんテキストスタッフもそんな世の中の動向に目を向けざるを得ないと思うんだが、その微妙なところをあまり炎上しないようまとめたなって感じ。よく体罰だとかで教員のあり方に焦点が当たりがちなんだが、部活動は「課外活動」なのであって、正論を言わせてもらえば正課活動ならともかく、課外活動で教員が糾弾される構図は当の教員にとってはむしろ災害に近い。顧問の指導が気に入らない、顧問は部員が気持ちよく練習できるようやる気を出させる指導をとか、ホント生徒、何様なんだという気がするが、それを逆説的に述べたのが本作なんだろうなという気がしてる。ここで理想の生徒像というのは、生徒自身が主体的に活動して、通常の学校生活に支障が出ないように勉強も頑張る姿が示されているわけで、これが、部活動が「課外活動」でありながら、教育的効果があるということを端的に示している。ただ、生徒がスタートアップから主体的に活動して盛り上がるテキストは別に本作に限らなくても昔から数限りなくあったわけで、そのへんなんの新しさがあるわけでもない。でも昔の作品の大半は、そういう生徒の自主性をテーマとしてあげてなかったわけでもないんだろうが、基本的に大人を物語に登場させないという意図が大きかったわけで、その点本作は時代性から目を背けていないんだろうなとは思う。
しかしオモロイのは、やはり上記の通りゲーム原作でこれだけテキストスタッフ好き放題やってること。個人的な観測範囲ではスマホ版ハチナイがそんなに売れているという認識はないんだが、それも自分が調べてないだけの話であって、もしかして売れてるのかな。なんといっても野球人口依然として多そうだし、そうであるとするとユーザーが多くても不思議ではない。それでもってそれぞれのキャラには初期設定はゲームの段階でもされているはずで、それをこんなに膨らませてアニメ化してるんだから、ゲーム側とどんな話し合いがあって、何はダメとか、どこまでオーケーを受けたのか、どんな決定があったのか、この作品の出来を目の当たりにしている今、結構そのへんを知りたいと思ってしまう。もしかするとだが、サープリあたりも個人的には面白かったのだが、あまりゲームとしてはブレイクしていないものだと、大ヒット作のようにユーザーの夢を壊すからこんなことはやめてほしいという制限がかかりづらいのかもしれないねぇ。