サクラダリセット 第23話

 なんか肩透かし感拭えないなぁ。
 なんとか解決の方向への巻。結局善意の独裁者エンドかよと思うと、昨今の日本だけでなく世界の潮流をみて、なんのかんのいってギリシャ時代から人間進歩してないのかなと思わされるようなことが連発している感じ。とはいえ、この物語を振り返ってみれば、能力を守れエピソードは浦地周辺のみの野望であって、視聴者としては重大な案件だとしても、規模としては極々小さな範囲でのゴタゴタでしかないんだよな。別に浦地の野望が管理局として承認されていたわけでもなかろうし。だから、観測範囲としてはとてもよくできていて、それはこの作品のスタイルからするといつもどおりの冴えたやり方だなという点に変わりはないんだけど、なんとも卑小なレヴェルの末路だったかなという感じ。加賀屋が説得されても、この期に及んで最善のソリューションを無視して浦地が我を通すことが普通なのであって、現実にも自分はそういう我儘管理職を数多く見きたゞけに、ありえんわと思った次第。が、この作品、別に汚い現実を素材に組み立てゝいるわけではないので、そのへんはまぁ。
 リセットものは、現実に起こらないだけに、安易にそれを使うのはどうにもご都合主義という感覚がどうにも拭えないのだが、あらためてこの作品を振り返ってみると、確かに困難な状況を打破するために何度もやり直しというところがないわけではないのだが、むしろダメだったところは「思考実験」とか「歴史」のメタファーなのかなということを予感させるものがあったので、それが視聴していてあんまり鼻につかなかったのかなと思わなくもない。そう、やはり現実というものはやり直しができないものだからこそ、やる前にはいろいろなことを想定して思考実験をしておけだとか、同じことを試して失敗した人がいるかも知れないから、そういう過去の事例を調べておけとかそんなの。この作品だと、ケイがあまりにも超人なので、彼だったら失敗せずに一直線に再全開にたどり着くだろう、そうなると物語になんの挫折も屈託もなく面白くない。なのでわざと失敗例というのをリセット前の出来事として示したとかそういうものだと考えればまぁそうかなといったところ。