刀使ノ巫女 第8話

 個人的に太眉の朱音、ドンピシャ。
 過去のアラガミ退治の説明。主人公たちの母親世代の過去話なんだけど、ちょっと唐突。特に主人公格の母親二人は今回のシナリオで語られていた通り、アラガミ退治以外の回想シーンが今までにあってもよかったのに、わざとしなかったというエクスキューズに見える。説明があってもなくても、主要キャラが実は繋がってた!というのはご都合主義でしかないんだけど、説明があったほうが話運びが丁寧に見えるからねぇ。
 業績を追試することで狙いが見えるという博士の言はちょっと光るものがあった。技術分野がすべてオープンソース化という流れでもないんだけど、基本論文は公開されることが多いので最先端技術も国力が先進国レヴェルだとそれほどフォローが不可能ってわけでもないんだよな。なので、割と特許で囲い込むということをやるんだけど、それを忠実に守っていても商売のネタにならないから、大体リヴァースエンジニアリングは必須になる。しかしそれをコピーすると特許でやられてしまうので、迂回方法を考えるというわけ。逆にリヴァースエンジニアリングをやらずに先行技術と同じ成果を出したとしても、方法が同じだったらやはり特許で無駄足を踏むことになるので結局やらざるを得ないでしょということになる。エンジニアはその過程で思想がわかるかもしれないんだけど、そういうものに頓着する(金銭的・時間的)余裕はないから基本スルーだろうけどねぇ。
 あと、アラガミを退治しきれなかったというのは、もしかしてアラガミは戦前レジームのメタファーなんだろうか?。権力側に軍国主義的な要素は薄いのだが、監視社会だとかそういうところは現政権寄りな感じだし、かといって主人公側が別に民主主義的な含みを持たされているわけでもない。いちおう対立構造としてスタッフがどんな要素をそれぞれに持たせているかというところには意味がそれなりにあるわけで、現実から遠いところだと無意識にでもそれは視聴者の共感から若干遠のく方向にいってしまうからちょっと気になるところではある。
 ゲームと同時進行のようだったのだが、ゲームは継続してプレイ(課金)してもらう必要があるから物語を閉じる方向にいくはずもないんだけど、ゲームの販促としてのアニメはどういう位置づけなのかな?というのが気にならなくもない。ゲームとアニメがそれなりに独立しているんだったら、アニメ自体の完成度を高めるために物語の帰結点をはっきりさせることが望ましいのだが、ゲームの世界観の背景としての要素が強いんだったら、物語を閉じてしまったらゲームの拡張性を奪うことにもなりかねないから避けたほうが吉ではある。というか、ゲームの評判どうなんだろ?。あまり気にしてないからわからないというのが正確なところだが売れているという評判を目にすることもないので、ゲームはさっぱりなのかなという気がしてるのだけども。