八男#8

 主人公が成人し、冒険者パーティー組んで王の依頼を受けてドラゴン退治に出かける話。なんか不思議な感覚。こうストーリー展開が飄々とした雰囲気で、キャラの目もハイライト薄目でどこか気乗りしないみたいなものを感じてた。ダンジョン攻略の初期は、結構危機的な状況にあるはずなのに、軽口叩いていかにもコントやってます~みたいな感じだったし、ラスボスのドラゴンまで追い詰められ感はあるものの、抑揚のない展開。別にクライマックスではそれなりに盛り上げていたのだから、それまでの過程もクライマックスのお株を奪わない程度に派手な演出にしても良いはず。で、気づいたのだが、割とエリーゼ視点で描かれることが多く、彼女が何を考えてるのかのシーンが多かった。ので、おそらく視聴者にこのエリーゼの態度を提示していろいろ考えてほしかったのかなと思わなくもない。そもそもパーティーメンバーの中で、この作品のテーマであるところの「厳しい世の中を生き残る」努力が必要ということから一番縁遠いのがエリーゼであるはず。エリーゼの父は枢機卿で、貴族の爵位とはまた別個の基準だとは思うんだが、男爵よりは身分が上だと思うし、エリーゼはわざわざパーティーに加わらなくても実家で待ってるだけで安心安全で贅沢な暮らしができるはず。枢機卿が自分の娘を主人公と結婚させたのも、別に自分がさらに出世するためではなく、主人公の影響力を利用するためだろうし、もし主人公が失脚するようなことがあれば、やろうと思えば離婚でもさせて、他の実力のある貴族と再婚させればよいだけの話。でもまぁ再婚は中世日本では結構日常的だったが、中世キリスト社会でそう頻繁だったか?と言われたら自信がない。アルテで述べられていたように、未亡人の権利は日本より強かったし、教会的にもどうなんだろ?と言った感じではある。ただ、この作品でも枢機卿は主人公も娘も自分の影響力を増すための道具としてみてるだろうから、娘がまだ王国内の地位が強固でない主人公と精神的に強いつながりを持つことをそんなには喜ばないはず。なので、今回別にエリーゼが近代的自我を持って主人公と個人的なつながりを深めた…っていう視点もあるんだろうけど、主人公視点で見れば、後ろ盾の強いええとこの嬢ちゃんと精神的な強いつながりをもつことができて、より一層生存確率が高まったみたいにみることもできる。クライマックスシーンでエリーゼが主人公を助けるのは読めたんだけど、自分てっきりブランタークのように魔力を主人公に託すぐらいにしか思ってなかったので、なるほどチューを持ってきたのはそういうことかも…みたいな。
 あと、今回の話でいうと、ブランタークの弟子が主人公の師匠で、ダンジョン攻略のご褒美も過去の魔導師の遺産だとか、誰かの後継者であるってことが重要な意味を持つってのがいかにも中世らしい。まぁ現代日本でも、天皇の直系に近いだとか、過去影響力をもった政治屋の息子だとか鞄持ちであるということが権力を握るのに不可欠な要素だったりするし、あの中共だって、孫文の継承者であるということにこだわって、例えば孫文夫人の宋庆龄を国母としてまつりあげてたり*1する。これは公正な選挙制度が整ってる近代国家ではあまりよろしくない現象ではある。だが、いまこのコロナ禍でも普段から自民盗に賄賂贈って強固な癒着関係を結んでるところは、アベノマスクでも明らかになったように他を差し置いて利権を横流ししてもらったり、庶民は税金猶予なのに大企業やカネ持ちは税金免除だとか、まぁフツーなら国民怒髪天を衝いて暴動でも起こっておかしくないんだが、なるほど日本近代国家ではなくずっと中世が続いてるんだなと思えば、なんの不思議もないという。この作品、別に中世的とはなにか…を組み込んでいても、あくまでテーマは厳しい世の中を生き抜くであって、中世的価値観そのものがテーマだとは思えないんだけど、奇しくもその両方が組み合わさった形でこの瞬間の日本のホットトピックとして浮かび上がるのなかなかタイミングとして絶妙だというか。

神之塔#8

 ん~、人間関係あたりは少々ひねってるようなのでドラマ部分がそこそこなのだが、バトルシーン連続だとさすがに飽きてくる感じ。勝ち抜いて塔の最上階を目指すというのも、おそらく韓国の苛烈な学歴社会のメタファーで、勝ち抜いていくこの形式を試練ではなく試験と言ってるのもそれの表れと思われる。そうやって学歴社会を勝ち抜いたものだけが、韓国で唯一安定した就職先である財閥系大企業に入れるのであって、そこで初めて人間扱いされるって感じなのかね。フツーなら誰にでも見ることができるはずの星空をたった一握りの勝者だけしか見られないってのは。塔を登っていくのもテスト順位を上げるってことのように思えるし、まぁ正直なところ自分そんなに具体的に韓国の受験競争知らないからあてずっぽうではあるんだが。

ルフレ、聖櫻ストーリーやってる。

 いちおうハンターは昨日勝ち点1プラスの合計2で、予想通り勝ち点ぷちは取れず。で、22:00になって対抗戦の勧誘サポートやろうかと思ったら、休止期間だったという。


 聖櫻感謝祭ということで、先月からやってる新キャラのストーリー&簡易レイドの聖櫻ストーリー第2弾だった。しかしこれがもうダメダメ。レイド部分は一殴りなのでこれは本当に申し訳程度のゲーム性で、その間に挟まれる紙芝居が本体なのだろうが、せっかくだからじっくり読もうと思っても、途中でハングアップしてイライラする。今月は第2章全8話なのだが、これ、1話分読んでる途中でハングアップしてしまうとそこで操作が一切受け付けられないので、F5しか回復の手段がなくなる。しかもハングアップしたところからの続きをすなおに読ませてくれなくて、またその話の冒頭部分から読み直しになってしまうからめんどくさい。いちおうボタン連打で早送りできるのだが、このボタン連打がハングアップを誘発しやすいみたいで、一体これどーしたらよいの?といった感じ。とりあえず、初見でハングアップしたらそこは読むのをスキップしてレイドを進めて走りきったのだが、さっきスキップした部分を読み直そうかとブラウザキャッシュクリアしてPC再起動かけてできるだけクリーンな状態にしてみたが、やはりハングアップ傾向は改まることがなかった。コロナ禍の強制接続切断の影響もあるんだろうが、フツー待ってると回復して止まっていたのが動き出すし、最後まで読めたシナリオもあるので、コロナ禍よりはプログラムかゲームサーバーの問題のように思える。少なくともこれがメインのつもりなら、紙芝居の出来以前の問題と思うのだが、まぁ作りっぱなしで終わるだろうな。

*1:ちなみに国共内戦で敗北して大陸を追われた蔣介石のヨメは宋庆龄の妹宋美齡