サクラダリセット 第17話

 もう本当に夫婦関係のような間柄。
 話数からすると当然なんだけど、もうちょっと能力に対する掘り下げがあるのかと思っていたので、この終盤に向けて一直線みたいな流れになりつゝあるのはちょっと寂しい。が、なんだろ?、この世界での能力ってのは、要するにダイヴァーシティという意味での個性であって、その個性を組み立てゝ社会は組み立てられるべきという主張のようにも見える。こうやって作品として世に問う以上、あんまりマイナス要素を想起させるものは丁寧に排除されているようで、そのへん現実にはうまく行くというものでもないとは思うんだが、主人公がいろいろなキャラの能力をうまく継ぎ接ぎしてトラブルシュートをしていく過程を見せてきた以上、個人的には個性肯定論なんだろうというメッセーヂだと思う。
 この作品を視聴し始めるに当たり、うっかり実写劇場版のトレーラーを見てしまい後悔したという話をしたが、ネタバレ上等で言ってしまうと、主人公は能力擁護派らしいので、管理局との戦いになるんだろうね。
 あと、ちょっと気になったのは能力が地域限定だというところは、日本でいうところのガラパゴス化を意識したものなんだろうなというところ。あの街でしか通用しない能力ではあるが、その街ではその能力こそが有効であるというのは日本で独自発達した商品が日本でのみ人気があるというのと対応する。自分は正直なところ、それによる恩恵は少なからず受けていてもグローバリズムクソくらえと思っているので、そういう主張のようにも見受けられる。世界が経済で繋がり合うのはそれ自体は良いことなんだけど、結局それが地域色を消失させ個性を平準化し、その先には強者総取りの植民地主義が待ち受けているだけなので、そういうものと適当な距離を取れないのであったら多数が奴隷化するだけなんだよな。