放課後のプレアデス 第8話

 ん、こいつら中学生なのかよ。しかも中1。
 待望?のななこ担当回。今回あった回想シーンからはななこの両親は離婚をしており、父親がななこ、母親が弟を引き取ったとしか思えないのだが、最后の誕生日プレゼントのところで弟が会いに行くというメッセーヂがあったので、もしかすると単に母親は海外出張でということで長期間会えないだけだったのかとか思ってしまった。いやまぁ今回はななこの孤独とつながりの認識がテーマだと思うので、それはあくまで背景であって、その本筋はどうにも微妙って感じ。ななこ本人が孤独に慣れていて、それであまり他のキャラとの絡みが描かれていなかったせいか、エンジンのかけら集め仲間との絆とやらがどうにもとってつけたように感じられて今一。もちろん今までは主人公まわりや他のキャラの担当回が主であって、極力ななこを背景化せねばならないから難しいところではある。また宇宙人の通訳係の要素が大きいもんで、ななこのパーソナリティはどうしても埋没してしまう。彼女が宇宙人を掘り出したからこそ今の体制ができているのに、よく考えたらぞんざいな扱いだな。とはいえ、宇宙人はななこに呼びかけを受け取ってもらえたからこそ、その礼として仲間を集めてななこに与えたという解釈は出来る。
 しかし、なんか今回は取ってつけたような感じがあって、フラグメントまで地球時間で三ヶ月、ななこ時間で10時間余りで、結局選択すればななこ時間でよいのなら、ななこが一人で行くことも無く、別に全員で行っても良かったジャンと思った。あと、フラグメントを見つけたななこが最初に仲間を呼ぼうとしたときに、その仲間は遊ぶことに夢中で、せっかく異変に気付いた主人公もスグ忘れてしまう始末。願い方が足りなかったからという理屈付けをしてたが、ななこが仲間を無意識にでも呼びたくないという要素があった*1のならともかく、そうでないのだから、一人で仕事に行ってるのに通信が成功しないのは仲間の感受性が低いせいではなくて、ななこに原因があるというのはちょっと酷いと思った。
 SF要素は光速近くで移動すると後ろの風景は真っ黒になるというところに感心した。うしろから追いかけてくる光は光速近くで移動するななこに追いつきにくくなるのでそうなるわけだが、実際にあのように前方にぽっかりと穴が開くように見えるかどうかは別にせよ、なるほどゝ思わせるものがあったかな。
 おそらくこれで主人公以外のヒロインズ担当回は一巡したと思うんだけど、自分的にはひかる担当回が突き抜けてよかったと感じてしまったせいで、他のキャラの担当回がどうにも冴えない感じが否めなかった。ひかるは金髪ツインテが与える記号とは性格付けが異なっており、その意外性と人間関係の対称性の構造がすっきり整理されていたのでこれは別格と感じたわけだが、いつきは黒髪ロングの持つ記号とお転婆という意外性のほかは普通のエピソードであって、だんだん他のキャラに対しての扱いがぞんざいになっている傾向が感じられた。とはいえ、おそらく物語全体を貫くメッセーヂ性はシリーズ構成がしっかり考えているだろうと思うので、その軸さえ外さなければ主人公まわりに齟齬がない限りあまり重要ではない。桃太郎自身の由来はしっかり描かないといけないが、犬猿雉のそれは些細な問題。主人公と他の4人のヒロインが等価ならアレだが、そうでないのは明らかだしな。親友扱いのあおいですらみなとより格が下っぽいし。

*1:なんのかんのいってななこは孤独は嫌だと感じているとしか読めない