ばくおん!! 第6話

 文化祭でレースだとか賭けレースだとか。
 しかしまぁ、アニメだと普通にやってたら地味でしかないからなぁ。ましてやこの作品はリアリティなんてそれほど重視してもだし、というか、バイク界隈のネタならそれだけで十分リアリティがあるのであって。
 今回面白かったのは恩紗父の出してきた2ストバイク。キャブレターが腐って乗れる状態ではないが今自分がもってるのが2ストで、そうそう回転数稼がなきゃパワーが出ないんだよなとか妙な小ネタに納得してたがそれはさておき。なんというか、この作品がかつてのバイク少年向けの出戻り期待であると考えると、かつて自分が好きだったバイクを長年の技術の進歩でカスタムし、それを子供が乗ってその良さを共有するってのはもう望んでも望みきれない喜びであって、これこそが狙いと言われたら素直に納得する。で、これはバイクでなくても他の要素でも十分訴求力があって、息子だろうと娘だろうと性別も関係ない。父親(母親)に誘導されたからその良さを見知ったというのではなくて、子供が父親がゝつて感じた躍動感を自発的に追体験してしまうというのがミソであって、これは何気にかなり評価できるポイント。父親が自分がこだわっていたところを子供に詳細に説明しないというところも素晴らしい。センス的に言えば昭和的なものではあるのだが、古いからダメというのではなく、今若者である世代もこの父親世代になったらおそらく新しい受け継ぎの形が生じるのではなくて、この形のヴァリエーションになるのではないかと予想してしまう。次回文化祭でレース描写が行われるからそのレースこそがクライマックスと看做されがちだが、この作品の意図からするとおそらく今回こそが一番の見所だったのではないかと思われる。