Joker Game 第2話

 え〜?。
 うーん、これはまた微妙な。スパイ容疑のゴードンがマイクロフィルムを何処に隠したのか?というのを主人公がとっさの機転で探し当てるという展開。いやありえんでしょ。それこそスパイ機関なら、あてもなく探して無かったということになれば機関の存続すらないという状況だし、どこにあるか既に調査済みでないと踏み込むこと自体を上司が許可するはずがない。それでも合理的に考えるなら、あの作戦の指揮をとっていた三好なる人物が既にどこにあるかを調査済みで、主人公を試したというぐらいしかない。つまり主人公は陸軍側の人間だとみなされていていたから、既に知っていたフィルムのありかを思いつくことができなかったら三好はあのまゝ切腹させて排除しようとしてたということ。実際に切腹しなくても、そういうみぐるしさを確認してからゆっくりとフィルムのありかを探り当て、主人公の発言力を削ぐかもしくは自発的に機関をやめるという流れにするぐらいしか見当たらない。結局主人公が追い詰められるという展開で視聴者にハラハラさせるのが目的であって、この話ではリアリティを求めてなんかいないってところだろう。いやまぁあんまり目くじらを立てることもなくって、素材自体は当時のものをそれっぽく使いながら視聴者も巻き込んでのコンゲームというエンタメと考えるとそれほど悪くもないので、そのへんあまり真に受けないほうがといったところ。
 しかしなんだな、現在の日本もスパイ天国ということで、先の大戦でも交戦相手の諜報戦にやられっぱなしって印象が強いから、当時の日本の諜報能力が低いって見られがちなんだけど、それは考え物で、別に戦争であれば日本の調査能力がそう低いものでもなかった。日露戦争での明石元二郎の功績もあって別に軽視されてたわけでもなく、この作品のモデルとなった中野学校が出来る前でも、中国に渡った大陸浪人のかなりの人間が大抵政府の意を受けたスパイでもあったわけで、「能力が低かったのは上層部の情報管理能力」でしかなかった。せっかく現場で有用な情報を集めてきてもそれを軽視して実際の作戦に有効に活用しなかったり、今回の話のように司令部レヴェルが情報を漏らしてしまう例もかなりあって、それが致命傷の主因だったりする。そしてそれは現場はちゃんと情報を集めもし保管もしているのにそれを隠滅したりしてる、自衛隊の日報問題や財務省の森友優遇問題、加計認可の首相による口利き問題と未だに直ってない。今回の武藤大佐が情報を自分の失態隠しに使ってる様は、アベが国の将来に関してはむしろ有害で、政治を私物化しているという問題と重なるわけで、え〜、この作品別にアベ政権のはるか昔に作られたはずなんだがなぁといった感じ。日本の宿痾は根が深いねぇといった感じ。