霊剣山2 第6話

 息抜き無しの真剣モード全開。
 ついに七星門との全面対決。前回偽毒薬を飲まされた謝持の寝返りぶりがちょっと引っかゝる。なんかあっさりしすぎ。日本のテキストだとやれ葛藤だのを描いてスグに仲間になったりはしないって感じだが、このへんどう判断したらよいのか迷う。脅されて強制されたのだから謝持も釈然としておらずいつかまた七星門に戻りたいのか、それとも彼の台詞どおりにこゝでの発展ぶりに心底納得させられて個人的なわだかまりは捨て去ったと見るべきか。そのへん春秋戦国時代の百家争鳴・食客の歴史からいうと後者のより強い実力のところに人は集まるって解釈を今のところしているが、連載が長期だし、個人のことについていちいち詳しく触れていられないだろうなというのも考えを補強する。
 仙人の修行をやりやすいように村人の寿命と引き換えにさせるというのもぱっと聞くとえぐい感じがするが、もともと仙人になる素養がないのに無理して修行させているわけで、そのへんちゃんと彼らの欲望と引き換えである点はなんとも潔い。玲にも搾取だと言わせていて、そのへん日本だと決して直接言わせないだろうなということも躊躇がないのは清々しい。そして法律での許諾を杓子定規に当てはめるんじゃなくてその法律の意義について考えを及ぼした上で判断や実行を行うところはプラグマティズムを感じさせる。
 村の発展は日本の高度経済成長期や、中国の改革解放後の成長を髣髴とさせる。後代の人間は割とばら色のように錯覚しがちだが、日本の高度成長期も慢性的な長時間労働・過労死は頻発していたのであり、そのへん上記の寿命を燃焼させて何かを得るのと対応している。主人公も法壇を作って経済的基盤を確立し、そしてその利益は惜しみなく村人に投資しているわけだが、それは決して村人に与えるだけの指導者ではなく、成果と犠牲は表裏一体であるというところをこうやって視聴者に示すってところでこれはなんとも背筋が伸びる思いがする。