のんのんびより りぴーと 第10話

 あの指が取れる芸、違和感なく見せるのは結構難しい。
 メインはれんちょんと駄菓子屋の交流話。そういや第1期もこのぐらいのタイミングで二人の関係性をやってたな。いやまぁその第1期と同様胸にくる感じで、これはこれでファンタジーではあるとは思うんだが、そうやって断じてもしょうがないというか。
 いろいろ考えてみると駄菓子屋とれんちょんの年齢が過ぎているというほど離れており、駄菓子屋が冷静にれんちょんを見ることができるということ、駄菓子屋が上位者からストレスを受けているわけでもなく、かつ時間的余裕があるということなど、二人の関係は子育てという点で親子ではないのだが、昨今の言説とは違っていて、静かに説明がされているように感じた。やれきちんと説明してやれだの、褒めて伸ばすだのいうのとも対極にあって、なんとも深く刺さるものがある。
 こういうのを見てしまうと、なるほどこんな限界集落っぽいところに駄菓子屋があるのはおかしいだとかいうのは的外れなんだなというのがわかってくる。大体にしてこの田舎の描写ってのは都市部にある雑多な要素を切り捨てた結果としての風景であって、要するにこれはそういう余計な物を取り去った後の抽出成分だけを描写していると考えるしかない。
 おそらく今回が第2期の一番の山場というか、今シリーズで一番主張したかったことだと思う。悪いけどあとは消化試合とまでは言わないが、これだけ濃密な描写はないだろうと予想。