甲鉄城のカバネリ 第9話

 うーん、これはまた明確な政権批判だなぁ。
 まぁそれはともかく。美馬も登場したと思ったら早くも本性を表すのでなんでか?とか思ったが、まぁあと3話で単純に尺の問題なんだろうな。これが2クールだったらおそらく美馬が周囲を油断させるために人のために働く(フリをする)ところを描くはず。が、これはこれでよかったのかも。というのも、尺が短いほうが勢いはつくから。本作のメッセーヂは割と単純なので、2クールにするとおそらく飽きがくると判断したのだろう。もちろん2クールやるとなったら、他にもいろいろメッセーヂや記号を詰め込むと思うし、今まで見てきてそれはスタッフにとって容易いだろうとは思う。というかこの絵のクォリティで2クールは予算がとても持たなそう。
 本作のえげつないところは、まぁカバネに喰われる民の姿は、グローバリズム経済とやらに飲み込まれる日本国民の姿で間違いないだろうけど、今の政権がやっている、まづ国民をグローバリズム経済に放り込んでそのときに都合よく搾取を行いその末使い捨てられるという手順を踏むところを、もう途中の搾取段階を省略して、国民がグローバリズム経済を経由して結果的に死に絶えるという風に結論を明確に示しているところ。確かに途中の過程を無視してとにかくやりたいことを強引に押し通すという姿は今の政権にそのまゝ重なる。そしてそういう結論に直接たどり着くという構造は物語に勢いが付加される。
 フジテレヴィ系列でこういう作品を形にするということも驚きだが、今まで明確な自民盗批判の作品は姿を潜めていたので二重の意味で驚かされる。