放課後のプレアデス 第9話

 盗られたら困る相手が近づくと、わざわざ盗ってくださいとばかりに姿を晒す仕掛け。
 今回はもう地球からプレアデス星団に直線的に近づく旅程ではなくて、いきなり認識論でどこにでも出没できるようになってた。こうなると五分前宇宙論だとかそういうのではなくって、かなり哲学的な領域に踏み込んでいる模様。これだけゆっくり間を取って声優に語らせているからには、それなりに視聴者に聞いてもらいたいという意図があるはず。そもそも量子力学は、古典力学上存在できない場所でも確率的に存在できるわけで、前々から量子力学モチーフのSF理論を展開してたから、満を持しての本番といったところ。とはいってもそれっぽい理論そのものが目的ではなくって、あくまで若さの持つ可能性だとかそういうほうが本筋なので、あまり真に受けるのではなくて彼らのもつ不安定さとか希望だとかそういう人間的なものに思いを馳せるのが主であり、テイスト程度だろう。
 みなとはすばるが母の入院を見舞ったときに偶然出会った魔法使いと名乗った少年ってことだが、彼がいなくなったのはもしかすると退院したのではなく、実は死んでしまったのであって、今すばるが出会っているみなとは死んだ彼のさまよう魂であって、彼が実体化するためにエンジンのかけらが必要だとかそんなのだったりするのかな。まぁさすがにこれは自分の拙い妄想に過ぎないんだけど。