くまみこ 第8話

corydalis2016-12-22

 バジルはともかくルッコラの栽培はないんじゃないだろうか?。
 なんか熊出村の特産品の宣伝にまちが試食コーナーのバイトをするという話。良夫が考えた村興しがこのレヴェルなんだったら、どれだけ予算がないのよ!といったところ。これを親類の子にやらせるんだったら騙すんじゃなくてある程度納得しとかなくちゃならないんじゃ?とは思う。コメディとしてはその手は取れないんだろうけどね。
 ナツがアレンヂ料理を作っていたが、彼はインターネットが使えるようだから知識はともかく、包丁は使えないんじゃなかったっけ?。あと、冒頭のツッコみなんだが、これも都合が良すぎる感じ。割と農家が試験的に流行の農作物を作ることはあるんだけど、売り込み先がないと腐って無駄になるので、自家消費でもしなければ普通即刻取りやめるもの。バジルとかはそれでも最近の流行りでレシピにかなり乗るようになったし、流行で言えばシャンツァイといかパクチーの呼び名がメジャーなのか、コリアンダーなどもあるが、どちらも近場でのスーパーや産直市でも見かけない。バジルは割と直球でそれを使うって感じだから買い置きしないんだろうけど、シャンツァイはどちらかというとパセリのようになんかの付け合わせだとかスープに浮かせるとか、サラダ代わりに食うってのもアリなんで便利に使い回しができるはずだが、それでもやはり田舎では消費されないらしい。
 一つ考えられるのは、良夫の父だから、良夫が村興しに関わっているから応援ってほどでもないけど、片手間にちょっと力になるかぐらいの心遣いがあるかもしれずで、まぁ確かにあの作品世界では爺婆は危機感がないような描かれ方ではあるんだけど、そうはいっても今やどの地方でも限界集落だとか廃村だとかの単語は誰の頭にもあって、頭の片隅にちょっとぐらいは解決に向かうべき問題程度には認識されているとは思う。
 スーパーでの描写は自分が見る限りスラップスティックの限りを尽くして終わりであって、あまり問題意識の提示は感じられなかった。いくら販売者として村興しが念頭にあっても、基本スーパーに買い物をしにくる客は生活のためなのであって、別に地元の産品をという意識はないだろう。自分は例えば、村興しに観光をという考えの奥底にある、「他所から人を呼んできて金を落としてなんのしこりもなく去ってもらう」というのが胡散臭く感じており、地元の人間も楽しめる要素があって経済的にそれなりに廻していけるという先に他所からの観光客も呼べるんじゃないかと思っているので、地元の産品を地元の人間もある程度消費してそれなりに流通が確保されるってんじゃないと全国展開はムリというのはわかる。が、今回の話を見て、その要素は感じられなかった。良夫の売り方がうまかったというのも、やる気も技術も経験もないまちとの比較をして何の意味があるのか?といった感じ。せめて良夫の売り方がうまいからといって、それが全体的な村興しには一切繋がらないという厳しい現状をつきつけるって視点を提示してくれても良さそうなもんなのになと思うぐらい。まぁそれをやったところで、押し付けがましく感じられるだけで、普通にキャラのかけあいを楽しむべきに留めるって態度は決して間違いではないんだけど、それだったら作品として世に問う価値はあるのかなとちょっと感じたぐらい。