サクラクエスト 第20話

 やっぱ主役をやるんだ。
 とはいえ、経験者と劇部程度じゃ自分の見せ方がダンチ*1なのでそうするしかないのではあるが。
 クライマックスに向けて、キャラ達のミッション消化や町興しが地域住民への着火装置として働き始めるとか、そういうテキストの完成度としては見事な経過の描写なんだけど、個人的には出来すぎといった感が強い。あと、なんかこういう盛り上がりはちょっとウソ臭いってのがあって、この盛り上がりは町の終活のような錯覚を覚えてしまう。いわば蝋燭が燃え尽きる前の一瞬の煌きって感じの。町興しとしては劇的に改善するという展開にするのもNGなんだが、成功しないとはいえせめてこのぐらい健闘してくれたらというギリギリの線を攻めてきているような気はするので、そのへんうまいなとは思う。
 うーん、なんか難しいねぇ。物語(フィクション)として無理のない範囲に収まっているし、今までの描写でおそらく一番?言いたかったことの一つである主体性の獲得まで描いちゃってよいの?といったところ。もちろんこゝまで描いても地場産業の振興までは描けないだろうし現段階でも描いておらず、ならば住民による町興しには限界があるわけなんだけど、さて、住民が主体性を獲得した後に避けられない中央対地方の搾取構造との対決を描くはずもない*2ので、実質これにて町興しのミッションは終了したんじゃないかと思っている。キャラとしては四ノ宮担当回がまだのような気もするので、そのへんで統括としての成長なり、戦いの方向性なりを示してくれると個人的には面白いとは思うのだが、取り扱いが難しいし、まぁこれで話をまとめちゃってもそれなりに形にはなるんじゃネェの?といったところではある。

*1:おでん探偵が役者としては今一という描写なのがまた小憎らしい

*2:実はあの死んでしまった教授の教唆によるチュパカプラ王国への反乱騒動がそれに当たるとは思うのだが