たまゆら〜hitotose〜 第12話

 「神様は時々いたずらする 一番大切なものだけを どこかに置き去りにさせて 僕達を大人にするんだ」
 「沢渡さん 気付いてないと思うけど すごく大切なものを 手に入れたと思うよ」


 いやぁ、あっさりというかなんというか。私達展はちょっと来場者が多目かな?と引っ掛かった以外は自然な展開だった。大晦日に近いので忙しくて来ないのもアリだなとは思ってたんだけど、さすがにそういうわけにはいかんわな。いくら町興しで活性化状態といえども地方の一都市の一角でしかないのでそうそう遊び場があるわけでもなく、ちょっとしたイヴェントが暇つぶしになるんだろうなと思い当たった。内輪で盛り上がるというのも、今までの経緯からすると、むしろそうあるべきと感じていたし、今の自分に出来ることは何か?と考えてやれることを楽しみながらやるというのも等身大で微笑ましいし、そういうのを見守ってくれる環境というのも十分に表現されていた。特に大それた仕掛けでなくてもイヴェントは開けるんだとなれば、触発される人も出てくるだろうし、そういった意味でその土地の人間が格別大資金などなくても手作りでこういったものを開催できるってのは、まさに町興しの原点といった感じがする。まづ、その地に住んでいる人たちが楽しめ、かといって外部からの人を拒絶するわけでもなく、無理矢理呼び込むでもなくといったバランス感覚が素晴らしい。客でありさえすれば、数呼び込むことが素晴らしいといった商業主義的な感覚が排除されていて和む。
 最終回ということで感動のクライマックスというよりは、脱輪してのシオシオなアクシデントにほのぼのとしたやりとりという構成で、これはこの作品らしいところ。第2期があるからというわけでもないが、彼女達の日常はまだまだ続いていくのであり、この作品こそ物語上のミッションが要らないと言えば要らないだろう。