中二病でも恋がしたい!戀 第12話

 最終話だからギャグパートをどこに持ってくるかは苦心したのかも。
 割と京アニはテキストにそれほど特色があるわけでもない作品が多いのだけども、この作品だとおそらく原作準拠だから感想は原作に向けられることになりそう。
 で、終わったのだが、自分は視聴前には小鳥遊は基本やりたいように振舞っているだけで、恋愛成就に関しては基本努力してないという風に認識していた。それまで小鳥遊が抱えていた家族問題にしたところで、周囲が気を遣って丸くおさめたようにしか見えないし、割と萌えアニメにありがちな、「主人公は基本努力しないんだけどヒロインが勝手に寄ってきていちゃいちゃし始める」というものゝ女版?ぐらいに思っていた。そのへん、仮に主人公が男であって酷い中二病を患っていたら、さすがにリアリティ無視の萌えアニメといえども、女が寄っていくことはあまりにありえなさすぎて無理なわけで、そのへん男女の交代を行ったのは目の付け所として悪くはない。が、描写されていることは周囲の公認付きの健全な恋愛ごっこでしかなくって、そのへんもう普通の恋愛モノ以上のものは無かった。で、最終回としては、その周囲に支援されまくりの小鳥遊がその返礼として、くっつけてもらった相手と正常に恋人関係を続けていますよという証拠を見せるという流れであって、これはその貰ってばかりの小鳥遊にできるこの時点での精一杯のお返しという点では、割と感心して視聴してた。まぁそういった意味では、めんどくさい女をネタに随分行儀のよいラヴ要素だったなぁって以上の感想は無かった。
 自分が期待してたのが、中二病というか、人生好きなことを突き詰めて楽しんだものが勝ちという視点で、これは残念ながらやはり世間体といったところの範疇をやはり超えてなかった様子。別にそういう方向で話を組み立てゝくれなくてもよいのではあるが、基本中二病は乗り越えるべきはしかのようなもので、乗り越えたものは黒歴史という認識だし、中二病を今楽しんでいるキャラもおそらく「大人」になったときには黒歴史になるであろうという前提が感じられる。逆に意外なのがくみん先輩であって、彼女は昼寝押しという常軌を逸したところがありながら、しかしメインキャラの中では常識人の範疇であって、その彼女が中二病を楽しむのもまた良しという態度であったこと。
 自分が楽しめたのはむしろコメディパートであって、特に丹生谷がいじられる様子がおもしろかった。できればコメディパート多めだと嬉しかったのだが、コメディが際立つのはそれ以外の描写をしっかり描くからであって、そのへん難しいところ。
 というわけで、全体的なものとしては小ぢんまりとまとまっていて、あまり突き抜けたところがなかったというイメーヂ。そもそも何かゞ得られそうといった期待があったわけでもないし、その意味ではやっぱりといったところ。原作を読んではいないがおそらく映像化したことによるプラスアルファはあったんじゃないかとは思うが、そのこと自体に自分はそれほど意味は感じないかな。上述のように、コメディが予想外に笑えたので印象自体は悪くなかったかも。おもろ。