緋色の欠片 第二章 第9話

 アイン、頭悪いな。
 婆サマの出番は今回無し。そういや芦屋も出てこなかったな。ふと考えてみると、わりかし鬼切丸の力を己の欲望の実現に使おうとするステレオタイプ的な悪人の存在が見当たらないな。ドライがそうかとも思ったんだけど、知識欲の充足的な側面が強そうだし。アリアが慎重派だとすると、なんのかんのいって、登場人物たちは鬼切丸の力を解放するのには反対って立場のが多そう。
 描かれるのも確かに鬼切丸封印側と法具(宝具)奪取側という感じなんだが、むしろ内紛というか内部信頼の動揺が多くて、善悪二元論とは程遠い感じがしてきた。ロゴスの内紛が顕著になってきて、どうもそれほどヌンマー達の力に迫力を感じられなくなってきたしな。
 で、恋愛要素が彩りを添えるというか。拓磨もやんちゃぶりが薄れてきて、己と戦う少年のようになってきており、青いと思いつゝ、こうなんていうのか、生暖かく見守っている感じというのか、ある意味微笑ましさを感じてしまう。真弘センパイが見方によっては珠紀に未練タラタラって様子が結構おかしい。
 清乃の正体が明かされて、まぁ意外性も無く、おいしいトコを拾っていったなという感じか。本当ならこういうキャラが裏切りに次ぐ裏切りみたいな踊り方をして翻弄させてくれると、まぁ視聴者的にはイラつきもするんだが、物語としては動くんだけどね、いや、ようやく物語的にエンジンがゝゝってきた感じだ。