ちはやふる2 第24話

 新の親の表情が!と思ったら、そういや…。
 昇り調子のストーリーラインでも、いけいけドンドンのスタイルより、こういう描写のほうが自分的には迫力が感じられる。勝者の描写も無いわけではないんだけど、いわゆる挑戦者(詩暢)にスポットライトを当てゝいるのに、新の凄みを表現するってことなのかな。ある意味凄みを説得力なしに提示しているわけなんだが、自分的には「これだけボスは強いんだぞ」と無理こ矢理こ説得を積み重ねるよりも、相手の渾身の一撃を最低限の描写で無理なく弾くってのに惹かれた。話が楽しければ時間を忘れて、その結果短く感じたりするんだけど、こういう描写の場合、逆に時間が長く感じる。長いから退屈なのかというわけでもないし、劇中詩暢がストレスを感じていたり、千早が水中にいることを感じたりだのといった表現に見られるとおり、視聴者としても緊張感やら重厚さを感じて、これはこれで濃厚な時間を過ごせたと感じてしまう。千早振るの奏の説明をこゝに持ってきますかといった感心もあって、なんか充実してたような。物語なんだから、この展開もフィクションに過ぎないんだけど、いけいけドンドンのようにわざとらしいご都合主義っぽい雰囲気を感じないのはうまかったとしか。
 詩暢にやさしくあたる新を見て動揺する千早の恋慕、もう太一や菫のように感情を明らかにすることを極限まで抑えているんだけど、こういう漏れいずる描写がまた切ないわねぇ。そりゃわかりやすい描写だと貰い泣き効果で視聴者の感情も揺さぶられるんだけど、リアリティを考えるとやっぱりというか。
 タイミング的にも大会が終わり、〆に入るんだろうけど、本当に次が最終回なのかどうか、え?って感じだ。そりゃ旧交を温めたりいろいろするんだろうけど、そういうのがあんまり思い描けない。