Witch Hunter ROBIN 第26話

 藤堂の追放とファクトリーの壊滅、で、STNJの変わらない日常みたいな感じ?。うーん、結局自分的には物語は前回で終わっていたかな。藤堂による、ウィッチが人間より優れた存在で、生殖能力を失って迫害される存在に貶められたという告白があって、それはそれでいろいろ考えさせられるものはあったんだけどね。というか、そちらのほうが本筋?。劣った連中が優れたものたちを引き摺りおとして階級制度をつくっちゃうって奴?。そしてその本家本元がソロモンってなわけだ。細かいことを言うと、生殖能力を失ったのなら、なぜにウィッチ能力が遺伝していくのかだとか、ジュリアーノだとかソロモンのハンター達も結局のところはウィッチだろうにって疑問もある。ソロモンがウィッチ能力を持ちながら、じゃぁそのウィッチ能力が悪を成さないよう人道的な見地で監視しているって考えることもできるんだけど、基本ウィッチを迫害する立場のように思えるしね。財前のような純血主義は、まさに今の自民盗あたりの特権階級至上主義と似通っていて、それこそ視聴者にも受け入れられないような描写にはしてたんだけど、彼のほうがイノセントゝいうか、無邪気に自分の正しさを信じているだけで、あんまり自分のやってることや考えていることに自覚がないというか、いや、だからといってそれが許されるわけでは全然ないんだけど。
 亜門とロビンの関係、この最終回を始めて見たときにやはり恋愛関係が絡んでいるんだろうな、で、あのそっけない態度は照れ隠しというかカモフラージュなんじゃ?と思ってはいたものゝ、その当時も恋愛にしてはそっけないという思いを持っていた。烏丸が生き残っている以上、彼らも生き残っているはずだが、藤堂の告白を知ってしまった以上、ソロモンに関わることは御法度になってしまったとは思うんだが、どうやって暮らしていくのかわかんないね。いや暮らしていくというか、ロビンがクラフトの力をどう活用していくのかというところ。最後、エピローグのタクシーからハンターが降り立った場面、てっきりジュリアーノゝ保護をうけて亜門とロビンが復帰かなと思ったんだけど、赤毛の女一人だったから、おそらくロビンですらない。表立った活動はできないという方向性だし、やっぱロビンが社会に影響を与えるってことには限界がありすぎるんだよね。
 まぁやっぱりロビンが亜門を切望してたところからすると、ロビンは生殖能力を持ったデザイナーズウィッチとして子孫を残すってところはやっぱあるわけで、それがまたウィッチのシードであるだろう亜門とくっついて子作りするって方向性になるだろうね。ロビンは公式にはソロモンに認められない存在だが、ジュリアーノの保護は受けるだろうし、STNJもロビンや亜門を見過ごすというか協力すらするだろうし、実生活には問題はないだろうしね。ウィッチは狩られる毎日が続いているってことだったから、当面はウィッチたちの能力が顕在化しないような活動をしていくような気はするね。
 というわけで、なんでしょ?、ウィッチ能力が権力のメタファーであるというのはそれほど外していないと思うんだけど、物語全体を振り返ってみるとやはりそのコントロールが大事だって結論でいゝんだろうか。もうちょっとヾラマ的要素が強いかとも思ったんだけど、そこらへんはかなり抑制されたような印象を受ける。そういった意味で、昨今のアニメやドラマのように内面をとにかく外側に表出させてわかりやすくしたものとはちょっと違う感じだね。いや、もちろんキャラにはドンドン喋らせていたけどね。大人アニメと評されるのはそこらへんなんだろうか。
 しかし、アレだよ。こうやって10年以上経って見返してみると、いかに自分の記憶力が不確かなのを確認したゞけでなく、自分は初めに視聴したときには読解力がなかったんだなと思い知った次第。前向きに評価したら今は昔と違って読解力が上がったとでも言えばいゝんだろうけど、それも怪しいしな。ラスエグもそうだったし、これらの作品が本当に脚本が練られているんだなというのがよくわかった。ドラマにせよアニメにせよ、わかりやすくを重視しているとは思うんだけど、この辺の作品だとあからさますぎると雰囲気や目的にそぐわないし、だからといって難解にしてしまったらそっぽを向かれちゃう。ましてや10年ほど前だと成人のアニメ視聴にそれほど認知度があったわけでもなし、でも敢えてその部分に直球で勝負しているってのに驚く。ノイタミナなど、成人というよりはアニメの一般化を目指した作品群があるけど、作品製作にかける真剣度や難易度はこちらのほうが高い感じだね。で、10年後の結果としては壊滅的状況になっているのが悲しい。難しいよね。これでもシリアスに偏っているんだけど、じゃぁこの作品群を視聴してDVDを買おうかってな層はかなり薄いように思われる。かなり評価する視聴者でもDVDまで買おうかとはならないし、かといってもっとシリアス方面に振った作品作りをしちゃったらついてくることのできる視聴者が極端に減ってしまう。もちろんもっと子供っぽくしたらせっかく設定したヽーゲット層をまるまる逃がすことになる。DVD商売をするんだったら、おそらく大人になるまえの背伸びしたいって年頃の中高生あたりがターゲット層になるだろうし、そういうのはDVD消費に価値を見出すアニオタ層に比べたらはるかに数は少なそう。と考えると、評価はされても売れない理由が納得できる状態で自然に思い浮かんでくるんだよね。すごくもったいない。
 というか、このキーワードを含むブログ、占有しちゃってごめんなさいですよ。自分的には他のサイトさんがリンクされるほうが自分が訪問しやすいんだけど、感想を書けば書くほど自分にとって不便になるというジレンマ。