貧乏神が! 第10話

 情けは人のためならず。
 今回はシリアスパート。次回は銭湯らしいので、おちゃらけ回なのかな。というわけで、いつも通り泣かされる。まぁアニメ感想を始めてからめっきり話の組み立てを気にしながら視聴するようになった(と思う)んだけど、この作品がオモロイのは展開が読みにくいことなんだよな。嵐丸が家に遊びに来るあたりで、市子が他人の幸福エナジーを奪うという性質をなんとかするんだろうなというところまでは思い至るんだが、それが猫の恩返しという流れになるとはとても思いつかない。そこがクライマックスになるのが面白いし、それを経過して物語上のミッションが達成されるという流れに、「はゝぁ、そうきますか」ってな感心をしてしまう。
 しかし、市子が周囲の幸福エナジーを奪ってしまうという体質は、貧乏人から消費税を毟り取ってカネ持ちに配るって構造と一緒だよな。ドラゴンボールで、「オラにみんなの力を分けてくんろ」と願う悟空の台詞がよく槍玉に挙げられるが、悟空の場合はみんなから貰った力はみんなのためにつかうしな。で、紅葉が提示し市子が選んだ道は、「そもそも他人の幸せを奪わない」ということ。要石という名前自体がまた泣かせるんだよ。自分の心をコントロールするってことだろ。順調に市子も成長しているようだし、この作品のキャラの爪の垢でも、今の日本の政治屋どもに煎じて飲んでいたゞきたいとしか。