Blood-C 総評

 BLOODシリーズはBLOOD THE LAST VAMPIREを視聴していないのだが、BLOOD+を視聴しており、なんらかの関連性はあるんだろうなとぼんやり考えながら視聴していた。たゞ、CLAMPが関わるということで世界観はがらっと変わるんだろうと思っていたのだが、最終回まで視聴してそれなりに世界観を引き継いでいたのは感慨深かった。
 いや、なんていうのかな。自分は第1話から惹きこまれちゃっているので多少贔屓目に見てしまっているんだが、かなり面白かった。というのも、十分にとられた間が考えながら視聴するのに非常に適していて、予想しながらあぁでもない、こうでもないと思い悩みながら楽しめたからだ。話が進むにつれ、自分の予想が裏切られたり、いやまた思い直してみたりと、ぐらぐら揺さぶられたんだよね。怪物がでゝくるところからして、この作品はそこになんらかの意図を読み取らねばならず、で、終わってみればやはりちゃんと現代の社会構造がしっかり組み込まれていて感心させられる。
 約定とは朱食免であるという誘導(どうもこれは水島努監督の故郷にある鹿食免の変形らしい)、キャラクター達の作為的振舞い、で、底意の錯綜、序盤から終盤にかけての変容は現実の空恐ろしさを突きつけられる思いであった。しかしまぁこれは輪をかけて人を選ぶ作品ではあるよな。ちょこっとググってみるとあまり評判は良くなかったらしいが、それはもったいない。スタッフが妥協を許さずに提示しているのは伝わってきたと思う。自分的には文句なしのおもろ+なんだけどな。