夏目友人帳 肆 第2話

 逃げようと思えば、いつでも逃げられる状態ではあったのか。
 なんか結局それほど大事な事件だったとも思われないな。ちょうど変則2クールで、このエピソードには次号予告がなかったから、驚かせるのに好都合な配置だったということなのかな。なんか次回はいつもの妖怪助けみたいだし。
 今回のテーマは捕らわれた猿面が言ってたように、何も言わなくても友人なら…ってところなんだろう。夏目がそういう友人を持っていると同時に、六花も特に命令などしなくても案じてくれる猿面集団がゐるという構造になってたな。
 しかし、なんだな、夏目に迫る猿面集団がもう愚民に見えて仕方がなかった。表面しか見ようとせず、他者の立場に立って考えることが出来ないのをまんまあらわしていたんだけど、実際大衆ってあぁだよね…と納得できるだけに、なんかやるせない気分になる。捕らわれの猿面だけが、夏目を理解できたわけなんだが、それも夏目に助けられ、彼と十分に心を通わせるだけの時間があったからなんだよな。もちろん物語としては、お互いの立場が違っていても歩み寄りさえすれば理解し合えるよということが言いたいんだろうケド、実際問題現実の人間はそれをするだけの能力も余裕もないわな。可能性として他の猿面も夏目を理解できるかもしれないが、捕らわれの猿面一人だけが夏目に会いに来たことからすると、あの後でもほとんどの猿面はやはり夏目の友人帳を奪っておくべきだったという考えが変わったとも思えない。そういうリアリティは確かにあって、そこらへんよく出来ているよなぁ。
 しかし、的場も今までは大概悪者扱いされてきたが、なんか彼も不幸な境遇を過ごしてきて…って設定でもあって、同情を引くような流れになりそうな予感がして怖い。そうだとするとズるいよなぁ。