夏目友人帳 肆 第1話

 トラブルシュートってよりは、トラブルに巻き込まれるのね。
 ちょっと繋がりが微妙なんだけど、感想を続けてみることに。都合上遅れるかもしれないので、その折にはご勘弁を。
 第3期で夏目周辺の人間関係が整えられてきたから、今度は夏目のリア充ぶりが示されるんかな、それで成長したところを見せてシリーズを〆たりするんだろうなと思っていたが、そうでもなさそうだな。まぁ原作は続いているようだし、そういう流れになると考えるほうがおかしいといえばそうかもしんない。今期もシリーズ構成はできてしまっているだろうから、アレだが、この第1話を見る限り、人間の敵は妖怪ではなく、人間そのものであるってスタンスで流れていくのかな?と思ってしまった。
 今までは第1話といえば夏目が困っている妖怪を助けて祖母と妖怪との関わり、および妖怪の事情について思い知らされたりしてたと思うんだけど、今回Aパートでそれがあっさり無かったので、妖怪の要素は薄められているんだろうなとは思っていた。が人間関係のプラス面じゃなくてマイナス面から攻めてくるとはね。要するに人間の強欲との対決ってことなんだろうな。実は的場のような力に対抗するためには、確かにより強い力が必要であったりもするんだが、猿面の妖怪どもの勘違いを、夏目が「それは違うんだよ」ともどかしく思うくだりが妙にわかる気がするんだよな。
 あ、あと田沼が言ってた、夏目が黙っている理由がわかりやすかったな。見ている最中には、「フツー大人だったらそんなことわかってるもんだろ」と思ってやっぱコイツら子供なんだな〜とか流してたんだけど、よくよく考えてみれば今までの蓄積があったからこそ、西村北本、藤原夫妻に対する夏目の気持ちが視聴者に植え付けられていて、より説得性を帯びるわけだ。大人にも周囲に気を配っていないがために事情が把握できておらず、「なんでもっと早く相談してくれないのか」とのたまうのがいる。ものが見えないオバサンなんかもそうなんだけど、本来状況を把握していないといけないはずの管理職がそうだったりするもんな。で、自身に状況把握能力の無い管理職がその能力の無さを棚にあげて他人には報連相をあつかましく要求したりする。田沼・多軌は夏目とちがって妖怪が見えないのに、なんであんなに助けることにこだわるのか、フツー自分が助けられる事案については黙って助けるだろうし、助けることが叶わないとなれば見守るだろうに、なんでだろ?と思っていた。要するに視聴者に対する説明役なのね。
 OP・EDは絵の部分もそうだが、なかなかいゝな。歌詞も時節に合っているようで、沁みいる感じがする。が、なんだろうな?、やっぱ歌詞は物足りないんだよ。扱っている題材やメッセージ性は凄くいゝんだが、完成度が低いといってしまうほどでもないんだが、もっと高められるのになと思ってしまう。格調が高すぎると名に気取ってんだ?と思うし、かといって分かり易過ぎるとこっちが恥ずかしくなる。平易な言葉を使いながらも決して幼稚にならず、万人が理解でき、誰が口ずさんでも恥ずかしくない歌詞作りって、昔はあたりまえだったんだけどな。かといって、アニメの主題歌なんて言わば使い捨て感覚なのであって、それほど作りこみをすべきってモノでもないと思うとそれほどダメとも思わずで…。しかし、子供時代の夏目を絵に使ってくるとは思わなかったな。夕焼けを座って見ている夏目の膝の上にニャンコ先生が潜りこむシーンとか、ぶわっと涙が出そうになったよ。