夏目友人帳 伍 第4話

 結局あのガムは食べても何の支障もない代物だったのだろうか。
 夏目が的場に利用されるの巻。的場自体が胡散臭く、口で言ってるとおり的場一門に入っても利用されるだけってのはそうなんだろうけど、しかし逆にだからこそ彼自身の言っている利用できるものはなんでも利用するべきってのは、おそらく夏目にとっても示唆的であったと見るべきだろう。こう、的場のテーマというかBGMも描写もおどろおどろしくていかにも悪者といった描き方だが、彼自身己の弱さ、力の限界をしっており、それを夏目に打ち明けるところからすると、なんのかんのいって得るものがある人物といった位置づけなんだとは思う。
 個人的には自分も夏目と同じようになんらかの組織に属するのではなくって独立して物事に当たりたいとは思っているのだが、いかんせんそれは組織化された集団の暴力の前では何の力にもなり得ないってのはあって、そのへん作品の方向性には共感したいところ。もしかして個々の妖怪のトラブルシューティングもやりつゝ、社会構造というか集団と個についてのステーヂも俎上に載せてきてるのかね。妖怪もしくは妖怪に振り回される人間というものが現実の弱い人間のメタファーだというのなら、なぜ弱者は生まれるのか、その構造をどうやって糾していかなくてはならないのかということに立ち入らざるを得ないことではあるんだよな。