ロウきゅーぶ! 第12話

 まぁ体育館の扉を開けるとメイド服の部員がって展開は読めてしまったが。
 もっかんだけってまではわかんなかった。というか、エピローグはご褒美なのか、部員1人づつとデート描写ってのがね…。あざといのはわかってるんだが、こういう風にするのもなんだかなぁで。
 やっぱ最終回ということで、サプライズというよりは、集大成って感じだったな。自分なんかは紗季のシュートが入って試合終了かと思ったんだけど、なかなか花は持たせてもらえなかったようで。しかしなんだな、レイアップならともかく、不思議なことにジャンプシュートは大体うった瞬間に入るか入らないかわかったりするんだよな。昴のあ゛っていう表情で外したなってのがわかるんだけど、このクールでの目的が試合に勝つことではなく、五人の成長を見せることなので、正直どうでもいゝ話ではある。で、敗戦後の描写も五人のバスケの意義を再確認ってわけなんで、まぁキレイに〆たといえば〆た。というかそれ以外要らんだろ。
 うーん、終わってみれば結構面白かったような気はする。スポ根モノの典型と言えばそうなんだけど、なんていうのかな?、ロリ方面以外に文句のつけようもありはするんだけど、結構配慮が尽くされているようにも見えて小憎らしさまで感じてしまう。まづ、部員が女子小学生ってことなんだが、小学生という年齢設定に初めは違和感があったのだけども、考え直してみればよい設定のようにも思えるのだ。すなわち、年齢が低ければコーチの指導を素直に受け取りやすいこと、初心者であることも相俟って基礎部分の描写+αで済むこと。あと、女子っていうのもなんとなく納得。自分が高校生の頃だと男子なんてのは割と顧問の指示に忠実ってよりは自主性が際立ってたような気がするな。が、女子だと自主的な部活よりは基本顧問の指示は絶対って雰囲気が強かったように思う。男子でも高校野球だとそれに近いものがあるんだけど、バスケなんて部活の中でもむしろ選手の臨機応変な対応のほうが必要とされるだろうから、監督の指示をきちんと聞くってのは硬直性の弊害が生まれる気がする。女子の自我というか精神的な成長からすると、やはり小学6年生あたりから始まる初潮が一つの区切りになると思うので、コーチの支持を素直に聞き、イジメに深刻さがそう無い最大の年齢設定のような気がするのだ。
 で、ふと思い出したのが、がんばれ!レッドビッキーズってドラマだ。もう名前だけで内容を忘れてしまっているのだが、それでもアレは女性監督に男の子って構造だったような気がする。まぁあれはターゲット層が少年なのでこの作品とは違うわけなんだが、少年たちが素直であるがために問題を表面化しやすかったんじゃなかろうかと思ったりする。ある意味逆だわな。男だと長ずるにつれて黙りこくるので、むしろウザいことでも口や態度に出しやすい年少のキャラを出したほうが、家庭問題や社会問題を描きやすいという。この作品だとむしろ家庭問題や社会問題、そして仲間同士でのいざこざを回避するために女子小学生という年齢設定なわけだ。もちろん目的はキレイ事の提示。長ずるにつれて増加する複雑性を回避するのだ。そういった意味においてヘンな感じだがリアリティがあるという…。もちろん今の世だと親がウザかったりするわけなんだが、まぁ見てわかるとおり親も善人設定で、擾乱要因を極力排除してるわな。
 そういうのを考えてみると、やはりもったいないって感じはするのだ。もちろん原作からして大きなお兄ちゃん向けなので、ヘンな言いがゝりに過ぎないわけなんだが、キレイ事を主張する場がアニメにしかないって状態がずっと続いているので、フェチ要素を取り除いてむしろ大きなお兄ちゃんは切り捨てゝ、小中学生向きにしてもいゝんじゃないかとも思うのである。視聴が立ち消えになってしまっているしゅごキャラだとか、今だとプリキュアシリーズだとか、特撮モノが用意されているんだけど、前述のレッドビッキーズじゃないが、やはり需要はないのかね?と思わなくもない。まぁどう考えても自分のターゲット層のお話は的外れでしかないので、忘れていたゞきたいってところだが。
 しかしじゃぁオトナがこの作品から受け取るものは何か?って考えたときに、今回繰り返されていた「ステークホルダーが全員成長する」とか、思いの大切さだとかチームワークだとかというのは、あまりにも使い古されているというか、いや、わかってんだけど、こういうテキスト見て現実にはありえないことだとか、いろんな意味において再確認してもなぁというのはある。泣きもするし前向きにもなれるんだけどねぇ…。かといって実写ドラマでこういうのを見たいか?と言われても複雑なんだよな。で、実写ドラマもちらほらいゝ作品があるってのを耳にしないわけでもないが、じゃぁ追っかけをするほどの気力があるわけでもなしで。いや、なんでだろ?、昔は鬼平犯科帳とか楽しみで仕方がなかったんだけどな。まぁ自分の場合、バブル期のトレンディドラマのバカ騒ぎの記憶が大いに邪魔をしてるような気がするんだが。あと、実写ドラマが大量に漫画原作を頼りにするようになった時代があって、「じゃぁ漫画でいゝジャン」って感じになっているのが今も続いている。いや、大いに話が逸れた。
 っつーわけで、自分的にロリの皮を剥いた本質部分については、教科書通りの、それも陰湿さに甚だしく欠ける作品だったと思う。部員たちの子供っぽさとか、昴のコーチとしてよりは指導に関する葛藤の部分が薄いってところはあるが、それは初めっから意図して除去した部分だろうし、そうなるとスタッフ的には描きたいものを素直に描いたものであって、視聴者に見たい夢をダイレクトに見させてくれるものであったと思う。もうどう考えても一般人にお勧めするにはあまりにも気持ち悪がられる作品でしかないんだが、よくまとまっているんじゃね?とは言える。惜しいもなんも、初めっからこういうのを目指した作品だし、自分もそういう条件であれば道徳の授業のような内容をよくぞこゝまでエンターテインメントにしたよなと思うしかない。うーん、自分も大概諦めが悪いって言うか、着眼点は悪くないからもっと一般的にって欲がどうしてもね…。ホントは+もつけたいところだけど、おもろと言ったところで。